日本でそばの花というと、白い花が普通ですが、ごくまれに、赤い花をつけることがあります。
それは、遠い昔に、赤い花をつけるそばと交配したことがあるからなのだそうです。
その赤い花をつけるそばのルーツを辿っていくと、ヒマラヤの麓にたどり着きます。

ヒマラヤ山脈の南側のふもとに位置するネパールでは、主食はお米です。
でも、標高の高い場所にある村では、水の確保と気温の低さから、米が栽培できません。
そんな標高3000m以上の高地では、水がなくても、気温が低くても栽培できるそばを、米の代わりに栽培したのです。
ヒマラヤのそばの花は、ピンクっぽい赤い色です。
9月頃には、白いヒマラヤをバックに、ピンクのそばの花畑が美しく映えます。




ところで、収穫されたそばですが、ネパールでは、日本のように、ヌードルにして食べる習慣はありません。
粉にしたそばと水を鍋に入れ、かき回しながら火にかけていき、そばがきのようなものにします。
ネパールではこのようにつくられたものを『ディロ』と呼びます。

『ディロ』は、そばに限らず、ひえやとうもろこしのものもありますが、カトマンズから西の地方、アンナプルナ山脈エリアの村々は特にそばの産地として有名でそばの『ディロ』が食べられます。
一緒に食べるものは、ダルと呼ばれる豆のスープや、カレー味に煮込んだ野菜、唐辛子入りのネパール風つけものなのです。
そばにカレーなんて合うのかなと思われる方もいますが、これがなかなかいけます。
日本でもカレーそばというのがあるのですから、そう悪い組み合わせではないのでしょうね。
ジョムソン〜ムクティナートトレッキングエリアはそばの産地ですから、この地方にトレッキングに出かけた方は、夕食にそばの『ディロ』を食べてみてはいかがでしょうか?


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