中国北部の冬は氷点下の日が多く寒いですが、家の中は「暖气(ヌァンチー)」と呼ばれる集中暖房(セントラルヒーティング)が効いていてとても暖かいです。
外に行くときは、分厚いズボンにロングブーツを履いてダウンジャケットを羽織っても、ウチに入った途端暑くて、半袖か長袖一枚くらいになります。

それで、北部の人が冬に中国南部に行くと「南部は家でもコートが必要で寒すぎる」などと言う場合が少なくありません。
もちろん外の気温は南部のほうが高めなのですが、湿度が高い地域が多い上、暖房設備があまり充実していないため寒く感じるようです。

北部にはほぼ全家庭にある「暖气」で最も一般的なのは、各部屋の壁にお湯を通る装置「暖气片(ヌァンチーピェン)」があるタイプです。
近年では床暖房「地暖(ディーヌァン)」の家もかなり多いです。
床に張り巡らした管にお湯を流すなどして暖めます。

暖房が必要な時間がある程度限られている場所(事務所や寒さがそれほどでもない地域)では、必要に応じてつけたり消したりできる「壁挂炉(ビーグァルー)」を設置している場合もあります。
こちらのエネルギー源はガスです。

北部と言っても寒さの程度に差がありますから、地域に応じて暖房のつく期間も違います。
たとえば北京では11月15日から3月15日までの4か月です。
一旦その決められた期間がおとずれると、数ヶ月の間家のどこにいても24時間ずっと暖かい状態が続きます。

暖房が効きすぎて窓を開けていることも結構あったり、夜に乾燥して喉が痛くなることもあったりします。
もう少し弱めに効いたら体にも環境にもいいような気はします。
それでも寒い中凍えながら帰宅すると、すぐ暖かい部屋が迎えてくれるというのはなんとも言えない魅力です。


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