韓国で飲まれているお酒には、おもにビールや焼酎がありますが、なんといっても欠かせないのが「マッコリ」です。日本でも、美容や健康によいとされ、女性たちを中心に人気を呼んでいるマッコリですが、昔の韓国でのマッコリは、農夫たちのお酒として知られていました。日照りの下での力作業にはパワーと水分補給が必要不可欠。お米から作られるマッコリには、人が生きるのに必要な栄養素と適度なアルコール、天然由来の糖分が含まれているため、一杯クッと呑んで昼寝をし、また午後の農作業のための力を温存するために飲まれていたものだと、一部では言われています。

そんなマッコリですが、現在では大衆酒となり、韓国以外の国でもその美味しさが認められ、各地でマッコリソムリエや、利き酒ならぬ、利きマッコリといったイベントも開催されるようになりました。その地方でしか飲めない「地マッコリ」なども希少価値の高さからマニアの間では大人気です。

私も、お酒のなかではマッコリが一番好きで、韓国ライフを楽しんでいる人間の1人ですが、真のマッコリ好きさんにおすすめしたい場所があります。

それは、ソウルの景福宮(キョンボックン)からほど近いところにある「韓国伝統酒研究所」という施設です。所長のパク・ロクダムさんは、朝鮮時代にさかのぼる、韓国の伝統酒を研究・復元させることに尽力されている方で、現在は、奥様である、パク・チャウォンさんとともに、韓国の酒造りに関する教育プログラムも行っておられます。本格的に「マッコリ」について学びたい人のための長期プログラムに加え、少人数による1日体験も実施されているので、旅行で来られる外国の方でも気軽に参加できます。

米を炊き、米を冷まし、麹(こうじ)を加えて混ぜ合わせ、熟成させるまでの工程を実際に学ぶことができ、最後にはここで造られたマッコリを飲むまでが一連の流れです。



















実際に参加してみて感じたことは、マッコリもかつては家庭で作られて飲まれていたものなので、それぞれの家庭の味を思い起こさせてくれる体験になったこと。そして、すべての工程がすべて力作業であること、それでこそ美味しいお酒が作られることを学びました。マッコリが本当に好き!という方には、ぜひ一度、この神秘的ともいえる作業に参加していただき、よりマッコリを好きになってほしいと願います。


Copyright(C) wowneta.jp