一年を通してたくさんのミュージカルが上演される韓国。出演する俳優の名前で話題にのぼる作品もあれば、作品そのものが全世界から注目されるものもあります。

今回私が観覧してきた、ミュージカル「REBECCA」は、イギリスの小説、アメリカのミュージカル映画がその基盤となっている、韓国では上演3年目となる作品です。

胸が苦しくなるほどの愛憎劇スリラーとして知られるこの作品。中心となる登場人物は3名で、豪華助演陣、アンサンブルとともに繰り広げられるストーリー。しかし、作品名ともなっている「REBECCA(レベッカ)」という主人公は最後まで登場しないという、前代未聞の設定。そんな、目には見えない“レベッカ”をめぐって、“霧の城メンドリー”のなかで、人々がぶつかり合います。物語は、城の主人“マキシム”の後妻としてやってきた“I(私)”の目線で描かれていて、実質的な主人公は彼女と言えるでしょう。レベッカは、マキシムの死んだ前妻です。





「REBECCA2016年版」が上演されているのは、「芸術の殿堂オペラ劇場」。主要キャストは日ごと異なり、ミュージカル界の貴公子オム・ギジュンをはじめ、最近はドラマでも活躍を見せた俳優ソン・チャンウィもマキシム役を務めています。また、衝撃的なレベッカの劇中歌で特に注目を集めるのが、生前のレベッカの付き人兼、城の家政婦デンバース夫人。女優シン・ヨンスクが今年もこの役を務め、歌唱バラエティ「覆面歌王」で話題を集めたチャ・ジヨンも、同役を演じています。
















劇中の音楽は舞台前に陣取ったオーケストラが演奏をし、俳優たちの歌唱力と相まって、物語のみならず音楽がいつまでも頭から離れない作品です。韓国ミュージカル「REBECCA」が世界中から一目置かれているのも納得です。








今年初めて「REBECCA」を観劇しましたが、170分という時間はあっという間に過ぎ、心臓のドキドキが止まらず、思わず感嘆詞が出てしまうほど、魂が吸い取られそうな時間でした。もちろん、スリラーな部分だけではなく、愉快なシーンもあるので客席からは笑い声があがることも...!!韓国では“死ぬまでに必ず観たい作品”と言われているほどなので、それだけの価値はしっかり感じました。

豪華な演出、まさかの展開が心を揺さぶる作品「REBECCA」。2016年3月6日まで上演されます。

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