フランスの形あるものへの考え方でしょうか?
家具や車、道具類等は壊れてもう修理のしようがなくなるまで使い続けているものをよく見かけます。
それで春にあちこちの村や地区で開催されるフリーマーケットやオープンヴィレッジで自分なりの掘り出し物やお宝と出会ったり、もしくは「こんなものを誰が買うのだろう?」という錆だらけのフライパンや、あちこちが欠け黒ずんだ木のテーブルなどが並ぶわけです。




さて2023年10月5日、ブルゴーニュ、ディジョン市のメインストリート沿い、フランソワ・リュード広場にあり、市のシンボルの1つでもあったメリーゴーランドが焼失するという出来事が起こりました。
1978年に設置されて以来、観光用のハガキの顔でもあったアトラクションが黒く焦げ骨組みだけになった姿は地元の老若男女に衝撃的な光景でした。




それから間もなく関係者たちが立ち上がり、集まった7000ユーロの募金に託された思いにも励まされつつ動いた結果、街の新シンボルとなるメリーゴーランドが設置されたのは、焼失から約4ヶ月後の2月12日のことでした。
関係者達が白羽の矢を立てたのはオート=サヴォワ県にあったもの。
先代と同じ大きさで、「ギュスターヴ・エッフェルへのオマージュ」というコンセプトも同じことは地元民に安心感を与えたようです。
写真に写っているプレート「Carrousel 1900」というのは木馬や装飾がたっぷり施されたレトロなメリーゴーランドのことで、流れる音楽も加わりノスタルジックな魅力に溢れています。

 設置後運行開始が2月14日、バレンタインデーなのは市の粋なはからいでしょう。
「古き良き」ものが愛され続ける街で、夏の本格的な観光シーズンを前に、メリーゴーランドは多数のカメラに収まる日々が続いています。


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