秋も深くなってくると、栗の季節が始まります。
スーパーで見かけるのは勿論、「親戚が所有する林で取ってきた」などというおすそ分けが回ってくる機会も。
イガから出したばかりの栗は、えも言われぬフレッシュな木の実の香りを放ちます。

 さて栗の木(châtaignier、シャテニエ)から取れた実のことを「Châtaigne(シャテーニュ)といいます。
これが普通に食べられる実。肉料理の付け合わせ等でお馴染みです。
そしてこの栗の木、シャテニエにはいくつか種類があり、その中の1つになる実の名前がマロン「marron 」。




 ところがMarron d’Inde (マロン ダンド)となるとかなり話が違ってきます。
こちらはマロニエの木の実でそのままでは食べられません。
 その為秋になり、マロニエの街路樹の下にたくさん落ちていても皆見向きもせず避けながら歩くのです。

このマロン ダンド、名前に「インド」があるからインド原産の植物?と思うかもしれませんがそうではなく、バルカン半島あたりという説です。
ではなぜ「インド」かというと、その昔これを輸送してきたのがフランス東インド会社だったから、というのが有力な説です。




 そして食材の話が変わり、七面鳥のことをフランス語でダンド (dinde) と言います。
これは、インドの、とかインドから来た、という言葉がからできた単語です。
ダンドの名前の由来は大航海時代に遡ります。
コロンブス率いるスペイン人一行が長旅の末上陸した地で見つけた、ビッグでウールのような羽根の鶏もどきが七面鳥でした。
彼らはインドに着いたと信じて疑わなかった為、この鳥をダンドと名付けたという訳です。
実際彼らが辿りついたのは、アメリカ大陸だったことは有名ですね。
 フランス語の綴りを見てこのように国の名前があったとしても、容易く原産地と結びつけてはいけません。


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