年間を通して比較的温暖な気候のスペイン南部アンダルシア地方ですが、12月から2月の最高気温は15度程度、最低気温は5度程度で、それなりに寒くなります。そんなアンダルシア地方で、昔から使用されている暖房器具が「ブラセロ」です。

ブラセロは、日本のこたつと同様の仕組みです。「ブラセロ」とはスペイン語で「火鉢」を意味し、その起源は紀元前にさかのぼるほど古くから使用されてきました。

金属の器に燃料を入れて、それをテーブルの下に置き、テーブルの上からキルトや薄い毛布などの覆いを掛けて使用します。ブラセロがテーブルの下で動かないように、ブラセロ専用のテーブルもあります。また、子どもがテーブルの下で遊んでやけどをしないように、石炭を覆う鳥かごのような金属のカバーも使用されます。30年ほど前にはまだ石炭を使用していた家も多かったそうですが、一酸素中毒や火事などによる事故も多く危険なため、現在ではほとんどが電気式です。

暖炉やファンヒーターなど他の暖房器具がまだ普及していなかった時代、寒い日にはこのブラセロの周りに座って温まりながら時間を過ごしました。

現在では若い世代はほとんど使用しなくなったブラセロですが、伝統的な家や年齢層の高い世代は、冬になると今でもブラセロを使用しています。

ニュースやSNSでも冬が近づくと、ブラセロを使用する際には火事などの事故に気を付けるように注意喚起されています。



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