2016年に地方が統合される前、フランシュ・コンテ地方の州都だった街、ブザンソン。
フランス国内の市町村の中で32番目(2020年)の人口という、ある程度の規模の街とはいえ、山々に囲まれ清々しい空気が流れています。
そんなブザンソンのメインストリート、 Grande(グランド)通りのたもとにありながら、コンパクトなサイズと半分壁に埋まっている作りから、「ひっそりと立っている」という言葉が相応しい文化遺産の水場がLa Fontaine des Carmes(フォンテーヌ デ カルム)です。

 16世紀中ごろに造られたこの小さな泉の名前はこの場所にあった修道院の名から付いています。製作者はクロード・リュリエ(Claude Lullier)というフランシュコンテ出身の彫刻家で、さすが地元にこだわるフランス人気質が感じられます。
コワモテのイルカに勇ましく跨っているのは海神ネプチューン。
元は右手にフォークのお化けのような3又の槍(トライデント)を持っていましたが消失、一時期は右腕も無かったようですが、2023年現在は右手が復元され、写真のような木に支えられています。

 500年以上も街を見守る、この界隈で古株の1つである海神は、そのうちトレードマークの槍も戻ってきてくれる日を密かに待ち望んでいるかもしれません。


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