今や世界から注目が集まるバリ島チャングーで、本格的な日本のラーメン店の先駆けとして2019年に登場したのが、横浜を拠点に日本で三店舗を展開するラーメン専門店「浜虎」。
オープンして間もなくコロナ禍に見舞われるものの、外国人在住者やインドネシア人ローカルから支持されて危機を乗り越え、2022年にはクタ・サンセットロードに二号店をオープン。
インドネシアのコロナ規制が解除されるやいなや連日満席の人気店となっています。




「浜虎」開店の2019年前後ごろからバリ島内のあちこちで、大小さまざまな日本式のラーメン店が次々とオープンたり、寿司屋など日本食レストランで日本式ラーメンがメニューに並ぶようになりました。
オーナーは日本人だったり、インドネシア人だったり、オーストラリアなどの外国人だったりと様々。
食べにくるお客さんも様々、そして、出されるラーメンの味も様々です。




海外で外国料理の食品店をする際に最も難しい課題のひとつは食材の調達です。
ここバリ島では、コストはもちろんですが、宗教や法律で輸入が規制されている材料があるなどの理由から、日本の店舗で使用しているのと同じ材料を使えるわけではありません。
湿度や温度などの気候も圧倒的に異なりますし、法律上、実際の調理はインドネシア人スタッフが行わなければなりません。

また、食べにくるお客さんたちは、日本人よりも、外国人やバリ人、ジャカルタ等から訪れる中華系インドネシア人などが圧倒的に多く、味覚や好みも異なります。
万人にとって美味しい日本式ラーメンを出すのは想像以上に難しいことでしょう。




このチャングーの人気店「浜虎」では、豚肉のメニューもありますが、バリヒンズー教徒にもイスラム教徒にも問題ない鶏のラーメンがメインです。
年中暑いバリ島ということもあり、通年で冷麺があったり、チャングーに集まる人々に人気のベジタリアンメニューがあったり。

モダンで洒落た、入りやすいオープンな店舗のつくりも、ここチャングーの地域性にマッチ。
狭い道路に路駐が多いバリ島で、店舗前に駐車スペースを設けている点も、利用しやすさを配慮した日本人的な考え方でしょう。
日本人が日本食を提供する意義が感じられるお店のひとつだと思います。
提供される料理を楽しむだけでなく、海外で奮闘し活躍する日本人のエネルギーを感じるのも、海外旅行の楽しさのひとつかもしれません。


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