イタリアの各町には、守護聖人が存在します。
その聖人の祝日は町中がお休みになるほど、カトリック信者が大半のイタリアでは、聖人の存在は重要なのです。
そしてこの傾向は、南イタリアへ行くほど強くなります。

ナポリの守護聖人は聖ジェンナーロ。
ナポリ出身の男性に「ジェンナーロ」という名前が多いのは、町の聖人名を取ったためです。
ナポリのドゥオモも聖ジェンナーロに捧げられていますが、ドゥオモ付属の宝物博物館には、ナポリの代々の権力者やイタリアの王族が捧げた宝物が飾られています。
もちろん、すべて本物の宝石です。




そのきらびやかさたるや、泥棒が多いナポリで盗まれないのかと心配になるくらいです。
しかし聖ジェンナーロへの信仰が厚いナポリでは、この宝物はマフィアでも手を出さないという不文律があるのだそうです。

実はこの宝物、映画『ナポリと女と泥棒たち』で知られるようになり、ナポリの聖職者たちが映画製作に対して激怒したというエピソードまであります。
いかにもイタリアらしいコミカルな逸話にまつわる聖ジェンナーロの宝物ですが、一見の価値ありの美しさであることは間違いありません。



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