世界にはいろんな種類のチーズがありますが、こんな固いチーズは、めったにお目にかかれないに違いありません。
ガチガチに固く、包丁も歯が立たないくらいですから、日本人の歯では太刀打ち不可能。
そんなとっても固いチーズがネパールにあります。

チュルピと呼ばれるヤクの乳から作られる乾燥チーズです。
ネパールはもちろん、インド、チベット、ブータンにかけてヒマラヤ山岳地帯に住むチベット系の少数民族の間では、チュルピは、貴重なタンパク源となる保存食として、古くから食されてきました。(呼び名は国によって違うようですが)
ヒマラヤ山岳地帯は、標高が高い上に、乾燥しており、栽培できる作物は非常に限られています。
生きていくための食料確保は常に大きな問題です。
そのような状況の中では、チュルピは、不足しがちなタンパク質の大切な補給源だったのです。

ネパールのヒマラヤ地方やチベットの村の店先では、サイコロ状にカットされたチュルピをヒモに通してネックレスのようにぶら下げて売っていました。
とても固いのですが、口の中でしばらくアメのように舐めて少しずつかじって小さくしていくのだそうです。

最近は、アメリカや日本では、犬用のおやつとして販売されるようになりました。
ということで、その辺をうろうろしているネパールの路上の野良犬にチュルピをあげてみました。
最初は食べ物という認識がなかなかされず、なかなか口に入れてくれなかったのですが、口に入れたところまあまあ気に入ったようで、ガリッコリッとすごい音と立てながら食べてくれました。
犬の歯でもかなり大変そうでしたから、人間だったら、サイコロ一個分のチーズでさえ、数時間はかかりそうです。


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