イタリア各地には、星の数ほどの郷土料理があります。
「ニョッキ」と聞けば、ジャガイモを原料にした丸いパスタを思い浮かべます。
ジャガイモの「ニョッキ」はすでに、国際的にもよく知られるようになりました。
イタリアのラツィオ州には、ジャガイモを使わない「ニョッキ」が存在します。




「ニョッキ・アッラ・ロマーナ」、つまり「ローマ風ニョッキ」と呼ばれるものです。
ローマ風ニョッキは大変おいしいのですが、レストランではめったにメニューに登場しません。
まず、原料がとにかくお粗末というか素朴で、レストランでお客さんに出すにははばかられるというたぐいの料理であるためです。
私個人の意見で言えば、レストランで「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」をメニューにのせるのならば、「ニョッキ・アッラ・ロマーナ」も充分に人気を博すのにと思っています。
ニョッキ・アッラ・ロマーナは食感がとても柔らかいため、老人や病人のためにもよく登場します。
これもまた、レストランではお目にかからない理由のひとつかもしれません。




材料となるのは、セモリナ粉と呼ばれるイタリアならばどのスーパーにもある小麦粉(25グラム)、卵の黄身(2個分)、パルミジャーノとペコリーノチーズの削ったもの(70グラム)、バター(60グラム)、ナツメグ(適宜)、牛乳(1リットル)、塩少々。これだけです。
いずれも、どこの家の台所にも常備されているものばかり。




まず、鍋にバターと牛乳を入れて温めます。
そこに、セモリナ粉を投入。よく混ぜます。
火から下ろして、卵の黄身をひとつずつ入れてよく混ぜ、さらにチーズを加えます。
この生地を細長く棒状にしてオーブン用シートにくるみ、冷蔵庫で20分ほど寝かせます。
取りだした生地は、2センチの厚さにきってオーブン皿に並べ、200度で20分。
上からパルミジャーノチーズの粉をかけて訳と、さらに香ばしくなっておいしいです。

あまり知名度も高くない「ニョッキ・アッラ・ロマーナ」ですが、簡単にできてお腹もふくらみますよ。


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