スペインはカトリック教徒が多いため結婚式は教会で挙げるのが伝統です。

しかし、カトリック教会で結婚をすると離婚することができません。カトリックの教えでは結婚は神との契約としてみなされており、神との契約を私たち人間の側から破棄することはできないからです。

そのため、最近では、「マトリモニオ・シビル」と呼ばれる市民結婚を行なうカップルが増えてきています。市民結婚とは、教会で式を挙げるかわりに、市役所で婚約の書類手続きを行なうスタイルです。市役所以外でも、ホテルやレストランなど新郎新婦が選んだ場所に市役所に勤める公務員が出向き、ゲストたちに見守られながら結婚を誓うということもあります。日本でいう人前式と似ています。結婚をするときに離婚のことを考えたくはないですが、たしかにこのスタイルの方が今の時代に合っているのかもしれません。




式が終わると披露宴です。スペインの結婚式はゲストの人数が200人以上になることが珍しくありません。現在では一昔前よりもゲストの数は減ってきているようですが、それでもゲストが150人というと、「小さい結婚式だね」というコメントがスペイン人からは聞かれるのです。

現在でも特に田舎では大勢のゲストが招待されるようです。200人以上の結婚式ですと、もはや新郎新婦が知らない人たちも来るのだとか。というのも、新郎新婦の両親の知り合いや友人・恩人なども親が招待するのだそうです。

披露宴が終わると、DJのいる会場に移動してパーティの始まりです。まずは、新郎新婦がロマンチックな音楽に合わせゲストに囲まれて踊ります。そう、みんな恥ずかしがらずに上手に踊るのです。このダンスは前日に結婚式場のスタッフから教えてもらって新郎新婦で少し練習するそうですよ。

その後は、音楽がポップミュージックに変わり、ナイトクラブのようにゲストも含めてみんなでダンスをします。スペインでは、年齢にかかわらずみんな楽しいことが大好きなのでとても盛り上がります。




このパーティが何時間も続き、結婚式が夕方から始まった場合、パーティがお開きになるのは明け方です。もちろんゲストは徐々に帰路に着くので最後までパーティに残っている人は限られますが。結婚式の翌日、新郎新婦は飲みすぎ、踊りすぎ、寝不足で非常に疲れるようですが、一生の思い出となる結婚式の日を家族や友人と何時間も楽しんで過ごせるのは素敵な文化ですね。


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