スペイン人の名前を見ると、なんだかとにかく長いことに気が付くでしょう。

例えば、スペインの有名な俳優であるアントニオ・バンデラス。正式な名前は、ホセ・アントニオ・ドミンゲス・バンデラスです。これは、「ホセ」がファーストネーム、「アントニオ」がミドルネーム、「ドミンゲス」が父の名字、「バンデラス」が母の名字です。このようにスペインでは、子どもは父親と母親の名字をひとつずつもらうので、正式な名前はとても長いのです。

父親と母親から名字をひとつずつもらうと言っても、わかりにくいかもしれませんね。もうひとつ例をあげてご説明します。

サッカーのスペイン代表チームのキャプテンであり、リアルマドリッドのキャプテンでもある、セルヒオ・ラモス・ガルシア。名字は「ラモス」と「ガルシア」です。妻は、タレントのピラール・ルビオ・フェルナンデスで、名字は「ルビオ」と「フェルナンデス」。

この二人の間には3人の子どもがいるようです。その子たちの名前は、「セルヒオ・ラモス・ルビオ」、「マルコ・ラモス・ルビオ」、「アレハンドロ・ラモス・ルビオ」です。お父さんの名字の「ラモス」とお母さんの名字の「ルビオ」が子どもたちの名字になっているんですね。通常は父親の名字を最初にして次に母親の名字を付けることが多いようですが、逆の順番でも問題ないそうです。

ここで、いくつか気になることが!まず、父、母、子どもたちの名字がすべて異なります。スペインでは結婚しても名字が変わりません。そして親子で名字が違うのです。家族内で同じ苗字なのは、きょうだいだけということになります。

そしてもう一つ気になる点として、父親の名前も「セルヒオ」、長男の名前も「セルヒオ」です。スペインでは伝統的に父親あるいは母親の名前を子どもに名付けることが多いのです。そのため、祖父、父、息子が同じ名前、祖母、母、娘が同じ名前ということも珍しくありません。その場合は、それぞれニックネームを付けて呼び分けます。また、長男は父親の名前をもらい、次男はおじさんの名前をもらい、三男は別のおじさんの名前をもらう、なんていうこともよくあるので、親戚で集まると同じ名前だらけになることも。

日本とは異なるおもしろい名前文化です。


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