イースターとはキリストが復活したことをお祝いする復活祭です。

キリストは金曜日に亡くなり、その2日後の日曜日に復活したと言われているため、イースターは毎年日曜日。イースターは、「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決められているので毎年日にちが変わります。「セマナサンタ(semana santa)」と呼ばれる聖週間はそのイースター日曜日の前7日間のことを指します。




スペイン全土でセマナサンタのお祭りは開催されますが、特に南のアンダルシア地方の「セマナサンタ」は宗教的に大変重要な意味を持ちます。アンダルシア州の州都であるセビリアでは毎年盛大なパレードが行われ多くの人が集まります。




セビリアでは、セマナサンタの7日間は昼夜問わず「プロセシオン」と呼ばれる行進があります。各教会が所有する豪華なキリスト像とマリア像の台を教会の信者が担ぎながら、街中を行進するのです。スペイン国内のどの街でもこの行進は行われますがセビリアは規模が大変大きいことで有名。セマナサンタの7日間のうち、毎日6~9個の行進が行われます。

セマナサンタの7日間のうち、木曜日から金曜日にかけては宗教的に最も重要な時間であり、昼夜問わず街のいろいろな場所で行進が見られます。その中でも特に豪華で人が多く集まる行進は夜中の2時や3時から始まり、2時間以上かけて街中を巡るのです。私もスペインに来て初めてのセマナサンタでは、夜中の2時から始まる行進を見に行きましたが、驚くことにそんな時間でも非常に多くの見物人が道の両脇で待機してキリスト像とマリア像が通るのを観察するのです。人をかきわけないと前に進めない状態です。

行列を見学するにもさまざまなスタイルがあります。厳粛な雰囲気で静かに見物していないと周囲の人たちから怒られるような行進もありますし、もっと華やかで音楽が鳴り響き見物人もキリスト像やマリア像が目の前を通り過ぎり時に拍手喝采を送るような行進もあります。

お祭りが大好きで各地で多種多様なお祭りが開催されるスペインの中でも、これだけ宗教色が濃く、厳粛なお祭りは他にはないのではないでしょうか。


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