バリ島を含めて、インドネシア共和国には、その時期その時期において、ローカルのおじさまたちを熱くさせるブームが存在します。
ほんの数年前までは、おじさまたちのブームは「トリ」でした。

わしの家のカナリアはいい声をしている、と自慢するおじさまもいれば、負けじと、俺のニワトリのほうがもっとすごい、など自分が飼育している鳥たちの自慢をはじめれば、キリがなかったおじさまたち。
いまではすっかりそのブームも下火になって、当時買われていたニワトリたちは、飼い主の食卓へと上ったことでしょう。

さて、いまバリ島のおじさまたちを熱くさせているものと言えば、「天然石」でしょう。
ブーム真っ盛りのときよりは、ちょっと落ち着いた感はありますが、それでもたくさんの天然石屋を街中で見かけることができます。
指輪なんて一個お気に入りのがあれば十分だと思う筆者ですが、ローカルのおじさまたちは、まさにコレクター魂に火がついてしまったがごとく、天然石の付いた指輪を物色します。

不思議なのが、おばさまたちはあまり関心がないこと。
指輪なんかの装飾品などは、女性のほうが夢中になっちゃうのでは?と思ってしまいます。
しかし、大きなアメ玉のような天然石の指輪を指にはめて、うっとりとした面持ちで眺めているのは、なぜかおじさまたちなんですよね。
まったく知らない人だったとしても、「その指輪、どこで買ったんですか?」と聞けば、聞いてもいないことまで、ニコニコしながら教えてくれるでしょう。

日本だと、天然石はパワーストーンなどのヒーリング系アイテムとして知られていますが、バリ島では、ほんとうにただ鑑賞するためだけに集めているおじさまが多い模様です。
いつまでこのブームが続くかは分かりませんが、おじさまたちのキラキラした瞳をみていると、熱くなれるものがあるって、いいことだなあ、と改めて感じる今日この頃です。


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