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目に見える星空とは違うものが撮れる!?“星空保護区”の神津島で星空を撮影してみた

赤崎遊歩道

「星空保護区」とは?

写真提供:成澤広幸

国際ダークスカイ協会(IDA)が2001年に始めた「ダークスカイプレイス・プログラム」(和名:星空保護区認定制度)のことをいいます。ダークスカイプレイス・プログラムは、光害の影響のない、暗い自然の夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える制度です。認定を受けるためには、屋外照明に関する厳格な基準や、地域における光害に関する教育啓発活動などが求められます。認定の公表により、夜空保護の重要性や光害問題について、啓蒙することが目的とされているそう。

日本では2018年3月、沖縄県・八重山諸島に位置する西表石垣国立公園が、国内初の星空保護区に認定されました。2020年12月には、神津島が国内2番目の星空保護区として認定を受けたばかりです。

美しい星空を撮影するために必要なことがある

成澤広幸氏

今回、星空を撮影するにあたり、星空写真家である成澤広幸氏にいろいろと教えていただきました。

神津島のように、美しい星空を見ることができる場所ならば、いつでも美しい星空写真と撮影できるというわけではないのです。美しい星空を上手に写真におさめるためには、好条件がそろうことが必要。成澤氏によると、重要な要素は「月齢」「光害」「天気」の3つ。この条件がそろう日を撮影日に選ぶとよいのだそうです。

成澤広幸氏

月齢

月齢情報は、無料アプリなどで簡単に手に入れることができます。必要な情報は、月齢の満ち欠け、月の出・月の入時刻、日の出・日の入時刻、方角の4つ。月がどの状態にあるかによって星空の見え方が異なるため、非常に重要な条件なのです。そのため、月が明るすぎる満月の前後1週間は避けます。夜中に月が昇ってこない新月の前後1週間がねらい目だそう。

光害

都市部の大きな街明かりが、自然環境に与える影響を光害(ひかりがい)といいます。光害は植物や動物など、生態系に悪影響を及ぼし、エネルギー資源を過剰に消費しているとも言われているんです。街明かりの多い都市部では、光害によって淡い星の光はかき消されてしまいます。東京の都市部で星が見えないのはそのせいですね。神津島では光害がないので、星空撮影にはもってこいの場所なのです。

天気

当然のことですが、雲が多い日に撮影しても星空は撮れません。晴れている場所で撮影するというのが、美しい星空を撮るためには基本条件となります。気象情報を調べることができるアプリなどを活用するといいですね。

星空撮影に必要な機材をそろえる

美しい星空を撮影するための条件に加え、機材もそろえておく必要があります。カメラ以外に必要なものは、三脚、低照度のライト、結露防止のレンズヒーター(撮影時の気候によって必要)。低照度のライトは、一人で撮影するときは赤ライト、大人数のときは電球色を使うという暗黙のマナーがあるそう。説明を聞いているときにはピンとこなかったのですが、実際暗闇で撮影してみると、このライトの便利さを実感することになるんです。

カメラの設定は事前に確認しておいたほうがよい

ミラーレス一眼は持っていますが、本格的な星空撮影は初めての筆者。今回は星空撮影のために一眼レフとレンズを用意しました。撮影のときに慌てないために、カメラの設定方法をネットで情報収集して予習しておきました。カメラの設定を手動で行う必要があるからです。そして当日、成澤氏の説明通り、ISO6400、f値2.8、シャッタースピードを20~30秒で設定。予習のおかげでスムーズに設定ができました。

いざ出陣!星空は撮影できるのか?

せっかく神津島まで来たのだから、満点の星空を拝むだけでなく、自分の手で星空の写真を撮影したい!気合たっぷり、鼻息荒く撮影場所に向かいました。時刻は19時30分ごろ、よたね広場という場所で撮影に臨みます。

この日は朝から雨が降っていました。午後になり、天候は青空が見えるまでに回復。成澤氏いわく、雨が降った後は空がきれいになるイメージで悪いことではないのだそう。よたね広場に向かう道中から、美しい星空が見えていました。期待に胸がふくらみます。

写真提供:成澤広幸

よたね広場に到着しました。頭上には満点の星空!幸いにも、このときはふたご座流星群が見られる時期で、流れ星も見ることができました。すごい!この日はさほど寒くなかったので、冬のひんやりと澄んだ空気がまた心地よく・・・星空を眺めながら来てよかったなあとしみじみ思いました。

三脚にカメラをセットし、撮影開始。ピントを合わせるのを忘れていました。教えてもらいながら、ピント合わせを完了。撮影、写真を確認する、の作業を繰り返します。

最初にカメラの設定をしたらそれで良し、というわけでなく、撮れた写真を見ながら設定も随時変えてみることが必要です。シャッタースピードを変えたり、ISOの数値を変えたり試行錯誤。初心者にはここが難しかったですね。そして、暗闇の中でカメラの設定を行うには、やはり明かりが必要。低照度のライトがかなり役立ちました。

手前の風景と奥の風景(星空)を撮影したものを「星景写真」といいます。手前の風景を入れながら星空を撮影することが、美しい星景写真のための重要な要素。撮影の際はよたね広場にある木々や、見える山々が一緒に写真におさまるように意識して撮影しました。

目に見えるものと違った風景が撮影できる

夢中で星空を撮影していると、あっという間に2時間が経過していました。この日は時折雲もかかったりしていたので、雲が切れるまで待ったり、方角を変えたりしながら撮影を続けました。この日撮影した写真がこちらです。

天の川を撮影したくて撮ったものがこちら。写真中央の白っぽいところが天の川です。天の川は、夏のほうがよりはっきりと写るそう。季節によって空の見え方を楽しむのもいいですね。

こちらは違う方角から撮影しました。オリオン座がバッチリ写っているのですが、星の数が多すぎてわからないほどです。

肉眼でも満点の星空を拝めるのですが、こうして撮影すると、目で見えるものとは違う星空を見ることができます。実際に撮影してみると、写真で見る星空の美しさにもまた驚かされました。今回、初めて星空を撮影しましたが、また撮影してみたいと思えるほど貴重で感動的な体験でした。

満点の星空の下で味わう感動。それはここ神津島でしか感じられないものです。さまざまな我慢を強いられた1年だったからこそ、この星空にすべてが浄化されていくような感覚でした。一人でも多くの人に、星空保護区「神津島」で思う存分星空を満喫してもらいたいです。

[Photos by Chika]




2021/01/09 13:44  Copyright (C) 2019 TABIZINE All Rights Reserved.

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