フランス生活で不便に感じることのひとつが、メトロの駅にエスカレーターやエレベーターが少ないことです。

パリに地下鉄が誕生したのは1900年、パリ万博が開催された年。それから自動運転が取り入られたり、安全のためにホームドアが設置されたりと、多くの改修工事が行われてきたメトロですが、エレベーターやエスカレーターの設置はあまり進められていません。路線によってはドアを手動であける車両もあり、パリにはまだまだ古い路線が多く残っているんです。

そのため駅には階段しかないことが多く、大きなスーツケースを持っている方や、ベビーカーが必要な小さなお子さんを連れている方は本当に大変です。でも、そんな人がいたら、迷わず手助けできるのがフランス人のすてきなところ。男性女性問わず、「手伝いましょうか?」と声をかけてくれるんです。



わたしも大きなスーツケースとともに初めて日本からやってきたとき、何人もの人にこうして声をかけてもらいました。そして荷物を階段上まで運ぶと、サラッと「頑張って」などと声をかけて去っていくんです。

こんなことが当たり前にあるからなのか、エスカレーターやエレベーターがなくても不満に思う人は少ないように感じます。フランスにいると日本社会の便利さを実感すると同時に、不便だからこそ人の優しさに触れられるのがフランスの魅力の1つでもあると感じます。

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