イタリアでは、美しい景観が話題となっても、お土産屋さんが軒を連ねるような観光地化はあまり見られません。
逆にいうと、景色を楽しみに旅行に出かけた先でトイレに困ってしまうというケースのほうが多いのです。




しかしイタリア人は、こうした手つかずの自然を愛する傾向が強く、木々や花々を写真におさめても、人工的なものが背後に写らないというメリットがあります。
宮殿とともに設計された庭園も美しいのですが、あるがままの自然の中で咲き誇る名もなき花たちを眺めるのもよいものです。




夏のバカンスで楽しむアルプスの山はもちろん、ローマ近郊のハイキングコースにも、野生の花々が四季折々に咲き乱れます。
野生のシクラメンやバラの花は、花屋さんで売られている品種とは異なる可憐な趣があり、山歩きをする人の目を楽しませてくれます。
イタリアの国土は日本より少し小さめですが、人口は約半分。
こうした事情も、身近で自然を楽しめる要因になっているのかもしれません。

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