30日、ブルームバーグ通信やフィナンシャル・タイムズ(FT)などの報道によると、先週下院を通過した1000ページに及ぶ歳出・税制統合法案には「セクション899」と呼ばれる条項が含まれている。
この条項「不公正な外国税制に対する制裁の執行(Enforcement of Remedies Against Unfair Foreign Taxes)」は、米国政府が「差別的」と判断した外国の税政策に対し、その国の投資家が米国内で得た利子や配当収入に罰則的な課税を課すことを可能にする内容だ。
この法案では、当初は既存の税率に5%ポイントを追加し、以後毎年5%ポイントずつ引き上げて最大20%ポイントまで増税できるようになっている。また、現在は免税対象となっている米国の政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)が保有する米国ポートフォリオ資産にも課税が適用される。
この条項の影響を受けるのは、政府系ファンド、年金基金、政府機関、個人投資家、米国内資産を保有する企業など、多岐にわたると予想されている。
ウォール街では、この条項がカナダ、フランス、イギリス、オーストラリアなどデジタル課税を導入しているアメリカの主要同盟国を標的にする可能性が高いと見ている。これは、メタ(旧Facebook)など米ビッグテック企業が海外で差別的扱いを受けているというトランプ政権の認識が反映されたものとされている。
専門家らは、法案が成立した場合、外国人投資家の資金流出の懸念を指摘している。外国の機関投資家が米資産から得る実質利回りが下がることで、米国債や株式への投資魅力が低下しかねないというわけだ。
特に、この税が米国債にまで適用される場合、その波及効果は極めて大きいとされている。外国人が保有する米国債の規模は7兆ドル以上にのぼる。ただしFTは「この税が米国債にも適用されるかどうかは、まだ不確かだ」と伝えている。
ヘッジファンド「ロコス・キャピタル・マネジメント」のルイス・アレクサンダー主席経済ストラテジストは、「国債に税金を課すのは逆効果になる。投資家が国債を売却し、米国の借入コストが上昇する可能性がある」と警告した。
また、オーストラリア・メルボルンに本社を置く証券会社ペッパーストーンのマイケル・ブラウン戦略家も、「現在、外国人投資家にとって米国債はそれほど魅力的な投資先ではない。そこに税制上の不利益が加われば、投資回避の理由がさらに増える」と述べた。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp