韓国では、旭日旗は「第2次世界大戦当時、アジア侵略に使用された日本軍の旗であり、多くの国に歴史の傷を思い起させる明白な政治的象徴」と捉えられている。こうしたことから、これまで幾度となく「旭日旗騒動」が起こってきた。
韓国で、旭日旗が反日対象になったのは2002年の日韓サッカーワールドカップの頃からと言われており、反日活動を展開する韓国の市民団体VANKが、旭日旗による日本人サポーターの応援を見て問題視したことがきっかけとされる。2021年の東京五輪開催前には、韓国内から、競技会場への旭日旗の持ち込み禁止を求める声が上がっていた。しかし、新型コロナウイルスの影響で無観客の措置が取られ、これが決定した際、韓国の通信社・聯合ニュースは当時、「(競技場で)旭日旗を見ることがなくなったことも幸いだ」とした。その上で、それ以前から決まっていた、海外からの観客は会場に入れない方針と絡めて「多くの韓国国民は日本居住者のみが競技場に行けば、旭日旗を持ち込む可能性があることを心配していた」と補足した。2023年12月には、国際サッカー連盟(FIFA)のワールドカップ公式SNSのアカウントで日本の選手を紹介する画像の背景に、一時、旭日旗が用いられ、韓国のネットユーザーらからFIFAに抗議の声が相次いで寄せられた。その後、画像は旭日旗が削除された。
旭日旗騒動はスポーツ大会にとどまらない。2024年6月には、韓国で殉国者と戦没将兵を追悼する「顕忠日」に、南部・プサン(釜山)市のとあるマンションに旭日旗が掲げられ、物議を醸した。「顕忠日」は祝日で、毎年この日は朝鮮戦争やベトナム戦争により戦死した兵士や、日本統治時代の独立運動家らが祀られた国立顕忠院で追悼行事が執り行われる。国のために戦い、命を捧げた人たちを悼む日に旭日旗が掲げられ、当時、韓国のネットユーザーからは「正気か」などと怒り、呆れる声が上がった。だが、韓国において旭日旗に関連する処罰法は存在しない。マンションの管理事務所には当時、苦情の電話が多数寄せられたが、事務所関係者は掲揚を止めさせることもできず、対応に苦慮した。騒動が大きくなるや、旭日旗を掲げた住民は「旭日旗を掲揚した私の愚かな行動によって心に傷を負った全ての方に謝罪します。深く反省しており、今後は繰り返さないことを約束します」などとする謝罪文を発表し、旭日旗を撤去した。この住民は掲揚の目的は親日を示すためではなく、行政区との間で続いている対立を多くの人に知ってもらうためだったと説明。「事件の関心を引くために旭日旗を掲揚したことは愚かな判断であり、改めてお詫びします」とした。
「旭日旗は戦犯旗」との一方的な主張に基づく旭日旗騒動は近年、エスカレートしている。昨年、韓国で日本のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」が公開され、興行ランキングで首位を独走する中、主人公・炭次郎が着けた耳飾りが「旭日旗に似ている」として一部の韓国国民が公開前に批判を繰り広げた。これを受け、デザインには修正が加えられた。2021年に「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が公開された際も、前出の「VANK」が主導して騒動が大きくなり、耳飾りのデザインが変更された。
6日に開幕したミラノ・コルティナ冬季五輪。日本に批判的な言動を続けている誠信女子大学のソ・ギョンドク教授は6日、IOCに対し、五輪期間中の旭日旗応援を阻止すべきだと訴えた。ソ氏は「オリンピックの場で旭日旗の応援が繰り返し行われているにも関わらず、IOCは何ら有効な措置を取ってこなかった」と指摘。2018年の韓国・ピョンチャン(平昌)五輪でIOCの公式SNSに旭日旗模様の帽子を被った日本人選手の写真が掲載され、論争になった例を挙げた上で、2022年の国際サッカー連盟(FIFA)ワールドカップの際は、日本の応援団が旭日旗を掲げるのを大会関係者が即座に制止したとして、IOCとFIFAの対応の違いに言及した。ソ氏は今大会で「監視役」になることを宣言し、「会場や中継映像で旭日旗による応援を見つけた場合は、私のSNSアカウントにすぐに情報提供してほしい」と呼び掛けた。
オリンピック憲章第50条2項は「競技場及びその他の区域において、いかなる形態の指示的、宗教的、人種的な宣伝も認められない」と明記している。一方、前述のように、韓国側は2021年に開催された東京五輪の前にも旭日旗の会場への持ち込みの禁止を求めていたが、大会組織委員会は当時、「旭日旗のデザインは日本国内で広く使用されている物であり、それ自体が政治的主張や差別的にはならないことから、それ自体が持ち込み禁止には該当しない」との見解を示した。
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