<W解説>「発射訓練を実施」と北朝鮮=米トランプ大統領が米朝首脳会談に意欲示す中で…
<W解説>「発射訓練を実施」と北朝鮮=米トランプ大統領が米朝首脳会談に意欲示す中で…
北朝鮮は今月14日、首都・ピョンヤン(平壌)近郊にある順安(スナン)付近から日本海に向けて弾道ミサイル数十発を発射した。9日に始まった米韓合同軍事演習への反発とみられるが、一斉に10発超のミサイルを発射するのは異例だ。これを前に、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党総務部長は10日、前日から始まった米韓合同演習について「敵対勢力の軍事力示威劇は、ともすると想像を絶するひどい結果を招くかもしれない」と警告する談話を発表していた。また、発射前日にはトランプ米大統領が金総書記との米朝首脳会談に改めて意欲を示し、対話再開につながるかと期待される中で発射が行われた。

北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは今年に入り3回目。これを受け、韓国軍の合同参謀本部は日米と共に関連情報を共有。警戒を続けているほか、米韓の情報当局はミサイルの飛距離やスペックの分析を進めている。

一方、北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙、労働新聞は15日、前日のミサイル発射について、金総書記の視察のもと、多連装ロケット砲の発射訓練を実施したと報じた。訓練では12発が発射され、約360キロ先の目標に全て命中したとしている。国営の朝鮮中央テレビが放送した映像からは、金氏が娘と共に視察する様子が確認できる。金氏は訓練の目的について、「我々に敵対心を抱く勢力、すなわち420キロの射程圏内にある敵に不安を抱かせることだ」と話した。この発言について、韓国の通信社、聯合ニュースは「『420キロの射程圏』と言及することで、同兵器が韓国をターゲットにしていることを明確にした」と指摘した。

今回の発射は、2019年以降、行われていない米朝首脳会談の実施に期待が高まる中で行われた。トランプ米大統領は今月13日、ホワイトハウスで韓国のキム・ミンソク首相と面会し、米朝首脳会談の実施に改めて意欲を示した。キム氏が面会後に記者団に明らかにしたところによると、トランプ氏は金総書記について、「良い関係を維持している。金正恩氏が米国や私と対話を望んでいるか知りたい」と話したという。さらにトランプ氏は「(金氏と)会うことはいいことだ。それは今回(今月末)の訪中の時期になるかもしれないし、それ以降になるかもしれない」と述べたという。

トランプ氏はかねてから金氏との4回目の会談に意欲を示している。昨年1月には米ニュース専門放送局FOXニュースのインタビューに、金氏について「私は彼と仲が良かった。彼は賢い男だ」と述べた。「金総書記とまた接触を図るのか」との記者の質問に、「そのつもりだ」と返答した。

トランプ氏は昨年10~11月に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせてアジアを歴訪。これを前に、トランプ氏は「金正恩総書記に会いたい」と語っていたことから、電撃的に米朝首脳会談を行うのではとの見方が広がったが、結局、開催されることはなかった。トランプ氏は当時、日本での3日間の日程を終え、次の訪問国の韓国に向かう際、「北朝鮮とは常に良好な関係を築いてきた。いつかは会うことになるが、(今回は)日程的に非常に厳しい」と述べた。

金氏も、先月開催された朝鮮労働党の党大会で米国との関係について言及。「敵対政策を撤回すれば、うまくやっていけない理由はない」とし、「朝米関係は米国に依存している。平和的共存か永遠の対決か、その選択は我々がするものではない」と米側にボールを投げた。

今月末に訪中する予定のトランプ氏が電撃的に米朝首脳会談を行う可能性も指摘される中、北朝鮮は14日、ミサイル発射に踏み切った。聯合ニュースは「同氏(トランプ氏)の『ラブコール』から1日も立たないうちに弾道ミサイルを発射した」と指摘した。

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