米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦を受けて、韓国経済は物価高、高金利、ウォン安の「三重苦」に直面している。
韓国国家データ処(庁)によると、先月のエネルギー物価指数は142.89で、2015年1月の統計開始以降、最高を記録した。また、先月の工業製品の消費者物価指数は118.80で、1985年1月の統計開始以降、最も高かった。一度上がると下がりにくいサービス物価も、1~3月期の上昇率は2.4%で昨年の4~6月期の2.4%以降、3四半期ぶりの高水準となった。6日にこの結果を伝える記事を掲載した韓国紙の中央日報は「物流費など運送費用が連鎖的に上がれば、宿泊・外食など他のサービスの価格にも転嫁され、全般的な物価上昇につながる恐れがある」と指摘した。
同紙によると、JPモルガンは今年の韓国の消費者物価上昇率を2.6%と見通した。報告書で「中東情勢が実質的に改善されなければ、5~9月には3%を上回ると予想する。その後の見通しは不確実性がとても大きい状況だ」とした。ウォン安も進行しており、ソウル外国為替市場では、先月31日、ドルに対するウォン相場が17年ぶりに一時1ドル=1530ウォンを超える水準まで値下がりした。その後、米国とイランが7日に一時停戦に合意したことで金融市場が安定を取り戻し、先週は約1か月ぶりに1470ウォン台を回復したが、不安感は残っている。
イ・ジェミョン(李在明)大統領は今月2日の国会での施政方針演説で「経済が戦時下という深刻な認識を持ち、当面の危機を打開するため総力を挙げる」と述べた。国会では10日、26兆2000億ウォン(約2兆8000億円)規模の補正予算が賛成多数で可決、成立した。中東情勢の悪化に伴う原油高・物価高対策として、所得下位70%の国民に1人当たり最大で60万ウォンの支援金を支給するのが柱となっている。支援金について政府高官は11日、「巨大な経済的衝撃から庶民の生活を守る」と述べた。
こうした中、米シンクタンクのCSISは7日、韓国総合株価指数(KOSPI)がここ43年で最大の下げ幅を記録したことや、ウォンが17年ぶりの安値を記録したことを根拠に、イラン戦争の影響を受けた主要国のうち、非戦闘国では韓国が経済面で最も大きな打撃を受けたとの調査結果を公表した。開戦以降、イランはホルムズ海峡を事実上封鎖しているが、韓国は主要資源の大半を中東地域に依存しており、原油やガス、原材料などの多くを同海峡を通じて輸入している。CSISは「今後2~6か月は運送、物流、石油化学、農業、食料や飲料などで物価上昇の影響が出てくるだろう」と予想した。
CSISの調査結果を伝えた韓国メディアのヘラルド経済は、専門家からは「韓国を『最大の被害国』と断定するには慎重であるべきだ」との意見もあると伝えた。専門家は、エネルギー依存度や産業構造、金融市場への影響などを主要国と総合的に比較した定量的根拠が必要だと指摘。今回の分析はエネルギーの輸入依存度が高い韓国の「脆弱(ぜいじゃく)性」に焦点を合わせた側面が強いとし、同様のダメージは他国でも見られることで、韓国が「最大の被害国」と結論づけるのは無理があるとしている。
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