<W解説>韓国・李大統領が文元大統領と昼食会、狙いは?
<W解説>韓国・李大統領が文元大統領と昼食会、狙いは?
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は今月1日、ムン・ジェイン(文在寅)元大統領を大統領府に招き昼食会を開いた。昨年6月に大統領に就任した李氏が、大統領府に歴代大統領を招いてこうした席を設けるのは初めて。韓国紙の東亜日報は今回の昼食会について、「党大会を前に、深刻化している党内の派閥対立を収束させるための動きと受け止められている」と伝えた。執権与党の「共に民主党」は来月17日に党大会を開いて党代表を選出することになっている。両氏は昼食会で「国民統合」の重要性を強調したが、韓国紙の朝鮮日報は「その意味については微妙な温度差を見せた」と指摘した。

韓国メディアによると、両氏は国民生活、経済、外交、安全保障をはじめとした国政の懸案全般、国民統合、国際情勢などについて幅広く意見を交わした。

李氏の出迎えを受けた文氏は「お招きいただき感謝する。退任後初めて青瓦台(大統領府)を訪れることになり、非常に感慨深い」と語った。両氏は約2時間にわたって昼食と散策を共にした。

文氏は、「時代的課題はやはり国民統合だ」とし、「ただ、国民統合へ進むためには、やはり党内の結束が出発点となる」と述べた。これに対し、李氏は「全ての人を代表し、全ての人のための政治をしなければならない」とし、「そのためには内部の結束も極めて重要だ。内部がしっかりしていなければならない」と述べた。その上で、「すそ野を絶えず広げ、構造的多数を作るために努力しなければならない」と語った。朝鮮日報は「文元大統領が『党内統合』を優先すべきだと述べた一方、李大統領は『外延の拡張を通じた構造的多数』を作るべきだという点に主眼を置いた。『構造的多数』について李大統領が具体的な説明をすることはなかったが、進歩(革新)系与党『共に民主党』の支持層だけでなく、中道層まで引き入れなければならないという意味と解釈されている」と解説した。

今回の昼食会は、与党「共に民主党」が党代表を選ぶ党大会を来月17日に控える中で開かれた。東亜日報は、この日の会談について「(故・盧武鉉元大統領を支持した)親盧、(文政権時代の主要人物らを支持する)親文など従来の『共に民主党』支持層と、いわゆる『ニュー李在明』と呼ばれる(李氏を支持する)親李支持層の対立が激化する中で実現した」と伝えた。党内では代表選を前に派閥対立が深刻化している。代表選は、チョン・チョンレ前代表、キム・ミンソク前首相、ソン・ヨンギル元代表による三つどもえの争いになる公算が大きい。キム氏、ソン氏がいわゆる「反チョン・チョンレ連帯」を具体化する動きを見せている中、チョン氏は先月30日、文氏を訪ねた。文政権時代の主要人物らを支持する「親文系」との連携を模索したとの見方が広がった。

この日の昼食会のメニューの一つは、統合を象徴するビビンバだったという。しかし、中央日報は「李大統領と文元大統領は『統合』を強調したが、ニュアンスは微妙に違った」と指摘した。同紙によると、会談で李氏は「みんな」に3回、「拡大」に2回言及した一方、「団結」は1回だけだった。これに対し、文氏は「団結」との言葉を5回も使った。「共に民主党」内部はその差に注目しているといい、同党議員の一人は同紙の取材に「文元大統領は『党の分裂を今うまく解決してこそ、後に安定する』という点を、李大統領は国政成果のために仕事をすべきという点をそれぞれ強調した」との見方を示した。別の重鎮議員も「文元大統領が内部の統合・団結に重きを置き、李大統領は普段から一貫して強調してきた中道拡大哲学、『みんなの大統領』を強調した」と分析した。

昼食会後、大統領府のホン・イクピョ政務首席は、「民主党陣営内の亀裂、互いに対する蔑称、根拠のない誹謗中傷は、全体にとって有益でないだけでなく、大韓民国の民生回復や国家の発展にもプラスにならないという点で(李氏と文氏の)意見が一致した」と述べた。

「統合」をめぐっては李氏と文氏の方向性は食い違いを見せたが、文氏は李氏に対し「より大きなリーダーシップを発揮され、全ての人の大統領になるという夢を必ず成し遂げられるよう願っている」とエールを送った。その上で、「李政権の成功のため、できることがあれば全力で支援する」とも語った。
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