東野さんは1958年、大阪府生まれ。当時の大阪府立大学電気工学科を卒業後、エンジニアとして働きながら小説を書き始め、1985年に「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞してデビューした。その後、「秘密」「白夜行」「探偵ガリレオ」など話題作を次々と発表。2006年には「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞した。著書は106冊を数え、日本国内の累計発行部数は1億部を超えている。多くの作品がテレビドラマや映画にもなった。来月5日には最新刊「永遠の記憶」の刊行が予定されている。
東野さんは今月23日に大腸がんのため死去した。68歳だった。27日、出版社7社の担当が運営する東野さんの公式Xが更新し、訃報を伝えると共に、「生み出された物語はたくさんの読者を魅了し続けることと思います。これからも、東野さんの小説をお楽しみください」と呼び掛けた。
東野さんは韓国でも広く知られている作家で、多数の作品が翻訳・出版されている。「容疑者Xの献身」でその名が知られるようになり、2012年に韓国語版が刊行された「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は170万部以上が販売された。大手書店のキョボ(教保)文庫で2009年から10年間の小説累計販売冊数は東野さんの作品が1位だった。14年には、韓国のインターネット書店大手インターパークが販売部数と読者の投票を基に選ぶ「今年の作家」に東野さんが韓国人作家を抑えて選ばれた。また、教保文庫で昨年の1年間に購入された日本の小説では、1位が東野さんの「架空犯」だった。そのほか、東野さんの作品は「薔薇とナイフ」(「探偵倶楽部」韓国再編版)が5位、「沈黙のパレード」が6位、「容疑者Xの献身」が8位に入った。
韓国で映画化された作品もあり、「白夜行」は「白夜行 白い闇の中を歩く」としてリメイクされた。また、来年には「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を原作とするファンタジーヒューマンドラマがディズニープラスで公開予定となっている。
韓国メディア各社は東野さんの死去を速報した。ソウル新聞は東野さんについて「日本の推理小説の巨匠」と紹介。「日本を代表するベストセラー作家と評価されている」と伝えた。ニューシスは「常に新しいテーマ、緻密(ちみつ)な構成と鋭い文章で作品ごとに高い評価を受けてきた」と報じた。亜州日報は「突然の悲報は韓国のファンにも大きな衝撃と深い悲しみを与えている」と伝えた。
オンライン書店大手の「アラジン」は東野さんの作品の紹介と共に、追悼メッセージを書き込める掲示板を開設した。通信社の聯合ニュースは「私にとって最大のどんでん返しは東野先生の死だ。人間味あふれる小説を書いてくださり感謝している」「中学生のころから新刊を待ち続け、毎年出版される本に幸せを感じていたが、もうその幸せを味わうことができないと思うと悲しい」などと、掲示板に投稿されたネットユーザーのコメントを紹介した。
韓国の作家や、東野さんの作品にゆかりのある著名人も追悼している。作家のホン・ジウンさんは自身のSNSに「東野圭吾先生、安らかにお眠りください」と投稿した。前述した来年韓国で公開予定のファンタジードラマ「ナミヤ雑貨店の奇蹟」に出演する俳優のリュ・スンリョンさんも哀悼の意を表した。
ソウルの教保文庫では27日、東野さんを追悼する特設コーナーが設けられ、代表作が並べられている。聯合ニュースは「東野さんの訃報が報じられ、故人とその作品に対する関心も高まっている」と伝えた。
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