サミットで李氏は、出席した米国の半導体やAI企業のトップらに向け「韓国が切り開く人工知能の黄金時代の入り口で、皆さまをはじめとする世界的企業の協力をお願いしたい」と呼び掛けた。世界的なAI・半導体投資の活発化は韓国経済にとって追い風となっている一方、経済の成長がAI・半導体関連の産業に集中し、それ以外が取り残される「K字型経済」が固定化しつつあることへの懸念も出ている。
サミットにはサムスン電子のイ・ジェヨン会長、SKのチェ・テウォン会長、現代自動車グループのチョン・ウィソン会長、ネイバーのイ・ヘジン議長ら韓国を代表する企業のトップも出席した。米国からは半導体大手エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)やオープンAIのサム・アルトマンCEO、アンソロピックのダリオ・アモデイCEO、ブロードコムのホック・タンCEOらが出席した。
サミットに先立ち、李氏はジェスン・ファン氏やダリオ・アモディ氏、サム・アルトマン氏、ホック・タン氏と相次いで会談した。李氏はジェスン・ファン氏に対し、「わが政府はいわゆる『3大メガプロジェクト』をはじめ、人工知能が中心の新しい社会、新しい国を準備している」とし、「ジェスン・ファン代表が引き続き大きな役割を果たされることに期待している」と述べた。
「3大メガプロジェクト」とは、韓国政府が先月発表した半導体、フィジカルAI、AIデータセンターの3分野に集中投資する計画のこと。同国南西部にサムスン電子とSKハイニックスが総額800兆ウォン(約83兆8000億円)を投じて計4か所の半導体製造工場を構築するほか、政府は次世代メモリー向け半導体などの有望市場を先取りするため、今後15年間で30兆ウォン以上の大規模な財源を投入する。フィジカルAIには、3年以内に世界最高レベルの独自フィジカルAIの基盤モデルを開発する計画だ。AIデータセンターにはSK、GS、ネイバーと共に、第1段階として2029年までに約550兆を投じ、計8.4ギガワット規模のAIデータセンターを構築する計画。さらに、35年までに1000兆ウォン超の投資を行い、計18.4ギガワット規模のデータセンターの建設を目指す。
サミットで「サンフランシスコAI宣言」を発表した李氏は、この「3大メガプロジェクト」について取り上げ、「首都圏と地方が共に世界の半導体供給を担う多極生産拠点体制への転換を進めている」とし、「グローバルAIエコシスムが必要とする中核インフラを安定的に供給する世界的なAIハブを構築する」と述べた。
サミットに出席した韓国の各企業は、米国テック大手と協力推進で合意した。サムスン電子はブロードコムと5年間で2000億ドル(約32兆7452億円)規模の先端半導体メモリーの供給・AI半導体のファウンドリー(受託生産)契約を結んだ。またSKハイニックスはエヌビディアなどと5年間で7500億ドル規模の先端半導体メモリーの長期供給協力を進めることにした。そのほか、SKテレコムやネイバーもそれぞれエヌビディアと協力推進で合意した。
今回、李氏が主催したサミットについて、韓国紙のハンギョレは27日掲載の社説で「グローバルAI業界を主導する代表企業の最高経営陣が、単一の国の行事で一堂に会したのは異例であり、韓国がグローバルなAIエコシステムにおいて占める地位がそれだけ高まったことを示している」とした。一方、社説は「『AI 3強』となるためには解決すべき課題もまた多い」と指摘。「AIの発展による恩恵を一部の企業や階層が独占し、二極化が深刻化するのではないかという不安も高まっている」とし、「こうした問題に対する深い考察と対策の策定が並行して行われない限り、AIを通じて国家のアップグレードを実現しようとする政府の構想は、激しい逆風に直面する可能性があることを肝に銘じておく必要がある」と指摘した。
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