韓国政府が選定した7大分野は原子力発電の小型モジュール炉(SMR)、核融合エネルギー、再生可能エネルギー、量子技術、宇宙・航空、先端バイオテクノロジー、重要鉱物・素材・部品・設備のサプライチェーン(供給網)。SMRについては、2035年までに国産SMRの商業化、30年代に非軽水型SMRの建設を開始することを目標に掲げている。核融合エネルギーについては、30年代後半に核融合による発電の推進を目指すとしている。再生可能エネルギーについては、超高効率太陽電池や先進的な海上風力技術、水素製造システム、AIを活用した電力網技術などを開発するという。
量子技術については、国産のエラー訂正が可能な100キュービット級の量子プロセッサーを29年までに開発するほか、35年までに世界最先端の量子チップ製造国を目指すとしている。宇宙・航空では、30年に民間主導で実現すれば国内初となる700キログラム級の月着陸船の打ち上げや、35年までに独自の地球低軌道衛星通信網を構築することなどを掲げている。バイオでは、30年までのAIバイオインフラの構築や、35年までのブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)製品の商業化などを目指すという。重要鉱物・素材の供給網については、10大重要鉱物の国内処理・リサイクルの拡大や調達先の多様化を図るなどとしている。また、30年までに素材・部品・設備技術に10兆ウォンを投資する計画だ。
一方、李政権は目下、韓国を米中に並ぶ「AI 3大強国」にすべく、今年6月、半導体、フィジカルAI、AIデータセンターを次世代の成長エンジンに位置付ける「3大メガプロジェクト」を発表。公共と民間の資源を結集し、この3分野に少なくとも1800兆ウォン(約202兆4000億円)を投じる計画を推進中だ。李氏は今月10日に大統領府で主宰した会議で、プロジェクトの中心となる湖南圏(南西部の全羅道地域)、嶺南圏(南東部の慶尚道地域)、中部の忠清道地域のうち、湖南圏の半導体クラスター候補地について、「日本の熊本に劣らないスピードで迅速に投資が行われることを期待する」と述べた。熊本には台湾の半導体大手、台湾積体電路製造(TSMC)が半導体ファブを建設したが、半導体ファブの建設に通常3~5年かかるところを、同社は着工から2年もかからないうちに竣工させた。李氏は会議に出席したハン・ソンスク首相、関係省庁の長官、投資主体の半導体大手サムスン電子とSKハイニックスの関係者らに向け、「今後1年間をゴールデンタイムと考えて、総力を尽くしてほしい」とげきを飛ばした。
半導体産業の好況とAIの急速な拡大は、韓国経済の成長に大きな追い風となっているが、李氏は12日の「未来成長エンジン7大SEEDシード報告会」で半導体やAIに次ぐ成長けん引役を今から見定め、先行して準備する必要性を強調した。李氏は「人類の歴史を振り返ってみれば、いつも一歩先に立って先端科学技術に投資した国が反映し、これをないがしろにした国は衰退した」と指摘。「この前まで危機にあった半導体産業が構造的超好況を迎え、AI革命が産業と暮らし全般を根本から変化させたように、数年後にどんな先端技術が新たに登場するのか、産業構造がどのように激変するのか予測が難しい大転換の時代だ」とし、「無限の機会を享受する先導者になるのか、淘汰のリスクに常にさらされた追撃者になるかは、我々の選択にかかっている」と強調した。
韓国政府は今後、科学技術情報通信部(部は省に相当)のペ・ギョンフン長官を中心とする「未来開拓推進団」(仮称)を編成し、7分野を「7大SEEDプロジェクト」として推進していく計画だ。
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