フランスの街に多く保存されている石の建物。
 造られた時代ごとにファサード(建物の正面)や窓、ドア等の流行りや様式が異なる為、街のガイド付き観光に参加すると、その特徴を見ながら「この建物の右側が最初に造られた部分、左側は100年以上後に建て増しされた部分」といった説明を聞くこともあります。

 そんなフランスの建物に付いている雨戸は色もスタイルも様々です。
白や黒の他に、青、黄、オレンジ、赤、と壁の色や隣の建物とのコントラストを楽しませてくれる界隈もあります。
 



 さて小さな町の幅の狭い歩道を歩いていると、不意に1階の窓から人の上半身がにゅっと出てきてびっくりさせられることがあります。
朝の時間帯だと木の雨戸を左右に開く為、夕方だと開いた雨戸を閉める為に住人が窓から上半身を乗り出すのにばったりと鉢合わせすることがあるのです。
頭の高さ辺りに並ぶこれらの雨戸のすぐ横を歩いていると、素人には疑問が湧くこともしばしば。
外側に弧を描いて開閉するタイプの木の雨戸がありました。
ところがその窓には防犯用に鉄格子がはまっているのです。
そこで疑問が生まれます。
「この雨戸はどう見ても鉄格子が邪魔をして内側からは閉められなそう。ということは開閉の度に歩道に出てこなければならない?」
もしかしたら家の内側にストールを設置して、外側の雨戸は毎日開閉する必要があまりなくなったのかもしれません。

 年季の入った「ひょっとしたら閉まらずの扉」、現在どのように使っているのか聞いてみたい、という好奇心が頭をもたげてきます。

Copyright(C) wowneta.jp