4日(現地時間)、ニューヨーク証券取引所でアメリカンイーグルの株価は、一時23%以上急騰した。トランプ大統領が自身のSNSでこの広告について言及し、「今最もホットな広告」と評価したことが直接的な引き金となった。彼は「ジーンズが飛ぶように売れている」「シドニー・スウィーニーは共和党に登録している。買いに行け、シドニーを応援しよう!」と呼びかけた。
問題となっている広告は、人気ドラマ『ユーフォリア』に出演した女優シドニー・スウィーニーが登場する秋のキャンペーンである。「Sydney Sweeney has great jeans(シドニー・スウィーニーは素晴らしいジーンズを持っている)」という文句は、「jeans(ジーンズ)」と「genes(遺伝子)」の言葉遊びを用いている。広告動画では、スウィーニーがジーンズを履くシーンとともに、「ジーンズは親から受け継がれる」「ときには髪の色、目の色、性格まで決めてしまう」といったナレーションが流れる。最後のシーンでは、スウィーニーの青い目がクローズアップされ、「私のジーンズは青い(My jeans are blue)」というフレーズで締めくくられる。
別の広告では、スウィーニーが壁に書かれた「Great Genes」の「Genes」に線を引き、「Jeans」と書き換えるシーンも含まれている。
一部のリベラル派からは、これを「二重の意味を持つ表現」だとして、白人で金髪の女性の外見を理想化し性差別的だと批判された。また、この広告は過度に性的で時代遅れであり、もはや大衆の共感を得られない過去のマーケティング手法を想起させるという指摘もある。
議論が拡大すると、アメリカンイーグルは1日、SNSを通じて「このスローガンはジーンズのみを意味する」と線を引いた。「誰もが自信を持って自分なりのスタイルでアメリカンイーグルのジーンズを着こなせる」と説明したが、騒動は収まらなかった。
そんな中、トランプ大統領が直接登場して「歴代最高の宣伝」を行ったことで、状況は一変した。共和党支持層を中心にスウィーニーを擁護する雰囲気が広がり、彼の発言はオンライン・ミームのように拡散され、アメリカンイーグルの製品検索数も急増した。
トランプ氏の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏も、先月29日、ジーンズを履いたトランプ大統領の合成画像とともに「今、本当にホットなんだから」との文言をInstagramに投稿した。J.D.バンス副大統領も「民主党はシドニー・スウィーニーを美しいと考える人々をナチスのように扱っている」と批判した。
一部では、今回の騒動が企業のマーケティング戦略における微妙なバランスを象徴的に示していると評価されている。トランスジェンダーのインフルエンサーとのコラボで反発を受けたバドライトの事例とは異なり、アメリカンイーグルは保守派の支持を受け、「反ウォーク広告(Anti-Woke Advertising)」の可能性を示したとの分析もある。
一方、業績不振に苦しんでいたアメリカンイーグルにとって、この問題が思わぬ反転のチャンスとなっている。同社は、春・夏の衣料品で7500万ドルの損失を計上し、年間の業績予想を撤回していた。今四半期の売上は前年比5%減、既存店売上も3%減が予想されている。
しかし、Googleトレンドによると「アメリカンイーグル」の検索量は、過去20年で最高を記録した。実際の消費につながるかどうかは、今後の業績発表で明らかになる見込みだ。
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