
フランス東部、フランシュ・コンテの中心地ブザンソン。
国鉄ブザンソン駅から緩やかに坂を下り、ドゥ川にぐるりと取り囲まれた中心街に入って進み、その一端に着くと、ひときわ緑の密度が高いスペースがあります。

このガール・ド公園(Gare d’Eau)は、「水の駅公園」と名前の通り、かつてはドゥ川を往来する貨物船の停泊所だったとか。
公園の入り口脇には「巨木」という言葉がふさわしい木々が木陰を作るまっすぐな並木道が。
この並木道を歩くだけでもかなりの沐浴効果がありそうですが、ここは文字通りまだ入り口です。

敷地は柵で囲まれているわけではないのですが、並木道の横にある正式な入り口からまっすぐ伸びる道を進んでその先を少し見上げると、丘の上にはブザンソンの代表的な観光地、シタデルがそびえ立っています。
ガール・ド公園内は城壁跡や生垣などで仕切られているためでしょうか、入り口近くの遊戯施設で遊ぶ子供たちの声は少し離れるとほとんど聞こえません。

太陽が出たこの日は皆それぞれお気に入りの木陰スペースを見つけて読書をしたりおやつをつまんでいます。
鴨の親子がのんびりと泳ぎ、犬が辺りを探索・・・。
城壁跡と川沿いの間を伸びる小道をぶらぶら歩いていると、人口12万人の町の中心地の一角にいることを忘れてしまいます。

文豪ヴィクトル・ユゴーはこの公園からほど近い家で1802年に三男坊として生まれ、父親の仕事の関係で生後約6週間でブザンソンを離れました。
その当時は、まだガール・ド公園はできていませんでしたが、きっとお母さんはこのドゥー川の穏やかな景色に子育ての疲れを癒されていたことでしょう。
「体に質の良い酸素を取り込みたいな」
と思ったら、ここがおすすめです。

Copyright(C) wowneta.jp