冬のブルゴーニュのブドウ畑。
剪定したブドウ樹の枝を手押し車の中で燃やすと、薄煙が空にゆっくりとたち上る・・・。
ブドウ栽培者のこの冬の畑仕事は牧歌的、幻想的な風景で、ブルゴーニュのブドウ畑の冬のシーンを象徴しています。

 ・・・が、現実に目を向けると、如何せん火や煙を伴う作業ゆえ、実施に関するルールがあります。
さらにご近所さんへの配慮は様々な規制と同様(もしくはそれ以上?)に重要なミッション。
例えば、いくら枝を燃やす場所がルールで決められた住宅との距離を守っているからといっても、「ちょっとでも煙の気配が来るのは嫌」という家が近くにあれば、平和な関係を保つためには手間と時間がかかっても配慮をするのが無難でしょう。




 さて昨今では環境への配慮や機械化等もあり、どうやらブルゴーニュ以外の地域ではブドウ畑で剪定した枝を燃やす作業は過去の遺物となっている地域が多いようです。
燃やさないならどうするかというと、例えば機械で粉砕するのです。

 ですが、「剪定した枝に病気がある場合、それが広がるリスクを避けるため、粉砕後、地面に撒く選択はNG」と考えている人もいます。
また傾斜があり且つブドウ樹の列の間隔が狭い場所には粉砕用の機械が入っていくことはできません。
そんな状況を考えながら栽培者がそれぞれ剪定した枝の処理手段を選ぶのです。




 因みにブドウ樹の枝には特徴的な香りがあり、煙を浴びることで作業着や体にしっかりとそれが移ります。
その為栽培作業を終えて来た人がそばを通るとすぐに(あ、今日はあの作業だったのだ)とわかるのです。
でもこの香りやブドウ畑の作業を知らない人にそのままの服で会うと「この人変わった香水をつけてるな」と思われるかも。


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