フランシュ・コンテにある国鉄アルケスナン(Arc-et-Senans)駅。
電車から降りると無人駅と思われる小さな駅舎があるのみです。
そこから150m程歩いた先にユネスコの世界遺産に登録された王立製塩所跡、サリン・ロワイヤル(Saline Royale)の入口が見えてきます。
ここは地下に眠っていた塩を採掘していた場所です。
その昔大変貴重な物資だった「塩」の単語(フランス語でsel=セル、ラテン語でSalarium)は「給料」(Salaire=サレール)の語源にもなっているとか。




 入場料を払うと貸し出されるタッチパッド付きのオーディオガイドは日本語バージョンもあり、子供も大人も楽しめる盛りだくさんの仕掛けが。
オーディオの装備をしていざ見学を開始と中庭に入ると、半円形に広がる建物の美しさにしばし心を奪われます。




 建物を移動しながらかつて「白い黄金」とも称された塩と、パリの都市整備にも携わった建築家ルドゥ(Ledoux)を介したフランスの歴史、アート展示スペース、と楽しい訪問の後は、宿泊も可能という多機能な施設です。
建物を囲む様々なコンセプトの庭園も一通り楽しむなら午後の開館時間をフルに利用する必要があるくらい盛りだくさんの施設だとは、静かな外観からは想像がつきにくいかもしれません。




 ところで電車で訪れる場合、週末は特に復路の時刻表をしっかりと確認しておきましょう。
昼食後の時間帯は3時間程空く場合があります。
電車の時間を待ちながら、元気があればこの世界遺産の建物正面から真っすぐ伸びる道を5分程歩いてみてください。
のどかに草をはみながら、「誰ぞや?」と散歩者に顔を向ける好奇心旺盛な牛、そしてゆったりと流れるルー(La Loue)川の向こうには広大な自然の風景が広がっています。


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