出雲大社について

縁結びの神・福の神として知られる出雲大社ですが、正式な読みは「いづもおおやしろ」です。日本最古の歴史書『古事記』に創建の由縁が記されている古社で、明治時代初期までは杵築大社(きづきたいしゃ)と呼ばれていたそう。

主祭神は、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。大きな袋と打出の小槌を持って米俵の上に立つ姿でおなじみの「だいこく様」という呼び名でも親しまれています。

神話では「因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)」が有名ですよね。サメに全身の皮を剥かれた白ウサギが、大国主大神の兄達から「海水に浸かり風に当たれば治る」と教えられ、そのとおりにしたところ傷はひどく悪化。ウサギが痛みで泣いているところに大国主大神がやって来て、「真水で塩を洗って蒲(ガマ)の穂に包まれると良い」と教えたところ、ウサギの傷が癒えたというお話です。

出雲大社の参拝ルートとポイント

本殿へはさまざまな場所から向かうことができますが、正門から参拝するルートを紹介します。「因幡の素兎」の神話にちなみ、境内には66羽もの可愛いウサギの石像があるので、卯年(うさぎ年)である2023年に参拝するなら、そちらも要チェックです。

勢溜の大鳥居


大きな石碑とともに立つ高さ8.8m、横幅12mの鳥居が、勢溜(せいだまり)の大鳥居。出雲大社の正門であるこの先から参道が続いています。神門通りの入り口にある宇迦橋(うがばし)の大鳥居から出雲大社本殿までは、合計4基の鳥居があり、鉄筋コンクリート製、材質の異なる銅管製、鉄製、銅製とすべて異なる素材で造られているそう。勢溜の大鳥居は二の鳥居。

宇迦橋の大鳥居は、100年以上前に建てられたもの。鳥居を全部くぐりたい人は、宇迦橋の大鳥居をくぐってから参拝したいところですが、2022年12月時点では耐震工事が行われていました。

祓社

出雲大社の参道は、全国でも珍しい、ゆるやかな下り坂になった参道。


道中にある「祓社(はらえのやしろ)」は見逃してしまいそうですが、お詣りすることで身を清めてくれるので、忘れずに立ち寄りましょう。

祓社から参道をさらに進んで、中の鳥居(三の鳥居)を過ぎると松並木の参道が続きます。こちらは、日本の名松100選にも選ばれている見事な松並木です。

御神像

ムスビの御神像

次に立ち寄りたいのが、銅鳥居(四の鳥居)の手前にある「ムスビの御神像」。ムスビの御神像とは、出雲大社の主祭神・大国主大神のこと。像は、日本海の荒波から現れた幸魂・奇魂を大国主神がいただく場面が表現されています。

手水舎

拝殿に向かう前に手と口を清めます。

拝殿

銅鳥居(四の鳥居)をくぐり、拝殿へ参拝します。1963年に建てられた拝殿は、戦後最大の木造神社建築といわれています。

神社の参拝は「2礼2拍手1礼」が一般的とされていますが、出雲大社では「2礼4拍手1礼」です。2度拝礼をして、4回かしわ手を打ち、最後に1度拝礼しましょう。境内のすべての社で同様に行います。

御本殿

拝殿の後方へ進むと、大国主大神が鎮座する「御本殿(ごほんでん)」が見えます。通常は、八足門(やつあしもん)という御祭神に最も近づける門から御本殿を参拝します。正月期間(5日ごろまで)は、八足門が開放されて楼門前まで入れるのだそう。

御本殿は、高さ24mもあり、「大社造」と呼ばれる日本最古の神社建築様式です。

十九社

全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲の国に集まる旧暦10月を「神在月(かみありつき)」といいます。そんな神在月に出雲大社に集まった神々のお宿となる社が、細長い社「十九社(じゅうくしゃ)」です。棟には19の部屋が連なっていて、神在祭の期間中はすべての扉が開かれています。

十九社は本殿を中心として、東西に2棟向かい合う形で建てられています。

素鵞社

御本殿の真後ろにある、素鵞社(そがのやしろ)にも足を運ぶことをお忘れなく。神話の「八岐大蛇(やまたのおろち)退治」でも有名な、スサノオノミコトが祀られている社です。御本殿後方の一段高いところに祀られた素鵞社は、強いご神気を感じる場所といわれています。

出雲大社 八雲山の岩肌
素鵞社の裏にせり出している八雲山の岩肌には、直接触れることができます。実際に触れて、ご神気を感じてみたい場所です。

「稲佐の浜の砂が入った木箱
また、社の床下には「稲佐の浜」の砂が入った木箱があり、素鵞社で清められた砂を撒くことで土地を清めるご利益があるといわれます。出雲大社参拝の前には、稲佐の浜で砂を採って持参してみましょう。持参した砂を素鵞社に供えれば、代わりに同じ分量の砂をいただけるのだとか。

御本殿後方

拝殿の位置から御本殿を見ると、瑞垣・玉垣にかくれて、御本殿が上の屋根しか見えません。そのため、御本殿を一番近くで眺められるのはこちらの後方からとなります。

神楽殿

出雲大社・神楽殿
出雲大社といえば、真っ先に思い浮かべるのが神楽殿の大注連縄。このしめ縄は長さ約13m、重さ5.2トンもあり、数年に一度、新しいしめ縄へとかけ替えられます。

出雲大社・大注連縄
近づくとよりその迫力に圧倒されます。細部にわたるまで、じっくり見れば見るほど美しいしめ縄です。神楽殿は、出雲大社教が特立100年を迎えた1981年に規模を拡張して建て替えられ、祭典や祈願、結婚式などが行われています。

神楽殿前庭には高さ47mの国旗掲揚塔があります。大空にはためく日本国旗は75畳(縦8.7m・横13.6m)もの大きさ。間近で見ると大迫力です。

境内にある木の幹に、たくさん結ばれたおみくじも圧巻です。出雲大社のおみくじは、訓という教えと運勢などが書かれており、「大吉」や「吉」などの記載はありません。

今回紹介した参拝ポイントをじっくり見てまわると、最低1時間は必要です。時間に余裕をもってお詣りすることをおすすめします。

出雲大社
住所:島根県出雲市大社町杵築東195(出雲大社社務所)
電話番号:0853-53-3100
参拝時間:6:00~18:00/お守り所 7:00~18:00/宝物殿 8:30~16:30
16:30より警備の都合上、十九社から北側へは行けなくなります
拝観料:無料(宝物殿:大人300円、学生200円、小中学生100円)
アクセス:JR出雲市駅から一畑バス[出雲大社・日御碕・宇竜行き]で25分/出雲縁結び空港からは車で約30分
無休
駐車場あり
公式サイト:https://izumooyashiro.or.jp/

[All Photos by Aya Yamaguchi]
 


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