ロイター通信などの海外メディアによると、メルツ首相は同日ベルリンで開かれた「世界平和研究所(WDR)ヨーロッパ・フォーラム」のイベントで、「ウクライナに提供される武器にはもはや射程距離の制限がない」と述べ、「イギリス、フランス、ドイツ、アメリカも同様だ」と語った。
また同首相は、「自国領内でのみ攻撃に対抗できる国は、十分な自衛ができない」とし、「ウクライナがロシア領内の軍事施設を攻撃し、反撃できるように許可しなければならない」と強調した。
ただし、今回の発言がウクライナへの「タウルス・ミサイル」提供を意味するのかは確認されていない。タウルス・ミサイルはドイツとスウェーデンが共同開発した長距離精密攻撃ミサイルで、射程は500キロを超える。
ウクライナはこれまでタウルス・ミサイルの支援を継続して求めてきたが、前ドイツ首相のオラフ・ショルツ氏はロシアとの緊張の高まりを懸念し、支援を行わなかった。ロシアは過去に、ウクライナがタウルス・ミサイルを用いて自国施設を攻撃した場合、それをドイツによる直接的な戦争介入と見なすと警告していた。
ロシアは、メルツ首相の発表直後に「ウクライナへの武器射程制限の解除は危険な決定だ」として強く反発した。
クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官はロシアメディアとのインタビューで、「このような決定が実際に下されたのであれば、それは政治的・平和的解決を求める我々の期待と完全に相反し、非常に危険な決定だ」と述べた。
メルツ首相はまた、ウクライナに提供する武器の種類についても非公開とする方針を明らかにした。これは、ウクライナがどのような武器を保有しているかをロシアに知られないようにするためである。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、28日にベルリンを訪問する予定である。
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