<W解説>サッカー韓国代表、日本に初の3連敗=現地メディアは格差の広がり指摘も、指揮官は前向き
<W解説>サッカー韓国代表、日本に初の3連敗=現地メディアは格差の広がり指摘も、指揮官は前向き
サッカーの東アジアE-1選手権の最終戦が今月15日、韓国のソウル近郊のヨンイン(竜仁)で行われ、日本代表が1-0で韓国代表に勝利し、2大会連続3度目の優勝を飾った。韓国は今回の敗戦で日本相手に史上初の3連敗となり、衝撃を持って受け止められている。日韓の格差を指摘する韓国メディアもある。

大会は、日本、韓国のほか、中国、香港が出場して総当たり戦を繰り広げた。韓国は中国に3-0、香港に2-0で勝利し、2連勝で最終戦の日本戦に臨んだが、同じく2勝の日本は得失点差で韓国を上回っていたため、韓国は大会優勝のためには勝利が絶対条件だった。前半8分、日本は相馬勇紀選手が左サイドからあげたクロスボールをジャーメイン良選手が左足で合わせてネットを揺らし、先制ゴールを決めた。その後、両国の攻防戦が続き、日本の1-0で試合を折り返した。後半は韓国が猛攻を仕掛けるも、ゴールネットを揺らすことはできず、日本が1-0で逃げ切った。韓国は2019年大会以来、6年ぶり、6回目の優勝を狙ったが、叶わなかった。

韓国紙の中央日報は、自国代表チームが手痛い敗戦を喫したこの日の試合について「韓国のホン・ミョンボ監督は日本戦で3バックを採用した。日本とシステムは似ていたが、ビルドアップの柔軟性や戦術的完成度で日本が先を行っていた。プレスもパスの質や成功率も韓国を凌駕していた」と伝えた。マイデイリーは「先制点を奪われても韓国は冷静にプレーを続け、ナ・サンホがポストを叩くシュートを放つなどゴールの予感もあった」としながらも、「後半は大いに攻め立てたが、それでも枠内にはほぼシュートを撃てず、最大のチャンスも相手GKのビッグセーブに阻まれ、結局、日本に逃げ切られてしまった」と報じた。

韓国は日本戦に2021年3月に行われた親善試合と、2022年7月に行われたE-1選手権でいずれも0-3で敗れており、今回の敗戦により、対日本戦初の3連敗となった。韓国メディアのフットボリストは「韓国サッカーがはるかに弱かった時代にもなかった史上初の記録だ。最初の日韓戦は1954年に行われ、日本相手には2試合連続で負けることさえ許されなかった。今回の3連敗は3試合連続無得点という点でも史上初だ」と酷評した。日本と韓国の通算対戦成績は韓国が42勝17敗23分けとリードしているが、直近10試合では2勝5敗3分けとなっている。

史上初の日本戦3連敗を受け、韓国メディアからは、日韓の格差を指摘する記事も出ている。通信社の聯合ニュースは「パスの精度やボールタッチ、キックの質など、技術で韓国が日本の先を行っていたのはもう昔の話だ」とした。マイデイリーは「成長を続ける日本に比べ、韓国代表チームの競争力は落ちている。日本はアジアを越えた世界レベルだ。この事実を冷静に受け入れなければならない」とした上で、「韓日戦が様々な面で特別な意味を持つのは事実だが、精神力を強調して韓日戦の勝利を期待するのはもう無理だ」と指摘した。

一方、韓国のホン・ミョンボ監督は韓国代表の現状について「われわれは危険なレベルまで来たとは感じているが、選手たちも今、個々の技量の面でもたくさんの努力をし、大きく成長していると思う。韓国サッカーはもっと努力しなければいけない。目の前の勝ち負けの問題ではない」と前向きなコメントを残した。

この日の試合についても韓国の優位性を強調。「今日の両チームを比べるなら、我々の選手の方が良かった。より優れたパフォーマンスを発揮していたと思う。日本は自分たちの強みを最大限に活かせていなかった。選手たちはよく戦ってくれた。結果を得られなかったのは残念で、ファンには申し訳ないと思う。それでも選手たちは私に大きな期待を抱かせてくれた」と語った。

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