日本で南国リゾートのイメージで親しまれている花「プルメリア」。
形も実に様々で、世界で300種類以上もあるといわれます。
バリ島のあちこちで、白やピンク、黄色、赤など様々な色が咲いているのが目に入ります。
島内の園芸店では白よりもピンクや赤の方が、値段が高いそうです。




日本語では「インドソケイ」。
学問的な分類でいうと、「プルメリア(Plumeria)」はキョウチクトウ科インドソケイ属に属する数多くの植物の総称。
キョウチクトウ科の植物ということで、樹液は人体に有毒なアルカロイドが含まれており、アメリカの農務省林野部 US Forest Service では有毒植物に指定され、樹液や樹皮に触れたり食べたりしないよう警告しています。
一方で樹皮は解熱や百日咳の漢方薬や結核菌対策に使用されたり、抗真菌性、抗ウイルス性、沈痛性などの効能があるという研究が成されていたりして、治療に用いられることもあるようです。




原産地は中南米で、「プルメリア」の名称は、原産地アメリカ大陸に渡って研究した17世紀のフランスの植物学者シャルル・プリュミエ氏に由来するといいます。
英語では別称で「フランジパニ(frangipani)」とも。
こちらは16世紀にこの花の香りの香水を発明したという名門貴族フランジパニ家に由来するそうです。




赤道に近いバリ島ではほぼ年中花が咲き、手折った枝を放っておいても根が生えるほど生命力の強い木で、寺院をはじめ、観光客に好まれることからホテルや商業施設などの庭にも多く植えられています。
バリヒンズー教では日々のお祈りに供える「チャナン」や祈祷行事の飾りつけなどで多用され、なくてはならない花のひとつです。
バリ島では、お浄めの祈りの後に、頭飾りや耳に挟んだ正装姿のローカルもよく見かけます。




「プルメリア」は、バリ島では「ジュプン (Jepun)」と呼びます。ラオス、ニカラグアでは国花とされており、「チャンパー (chanpa)」と呼ばれます。
バリ島で、プルメリアと並んでお祈りで用いられる花に「チュンパカ」があり、「ジュプン(=プルメリア)」と混同されることがあります。

どちらも素晴らしく甘い香りで、アロマテラピーにも用いられますが、「チュンパカ」と「ジュプン」は異なる植物です。
「チュンパカ」はモクレン科で、中国南部原産。「チュンパカ」はマレーシアなどでは「チャンパカ(champaca)」と呼ばれます。
中国では花やつぼみは漢方薬、花弁は食用で使われており、バリ島ではバリヒンズー教のお浄めの聖水にもチュンパカが使用されることがあります。


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