アンダルシア地方のセビリアはスペインで4番目に大きな都市で、観光地として有名です。メインの観光スポットにセビリア大聖堂やアルカサルなど魅力的な建築物があり、それらは15世紀から17世紀のセビリアの最盛期の富を象徴するような豪華さです。

しかしそんな豪華絢爛さとは対照的に、ひっそりと歴史を語る物もあります。
それがセビリア市内にあるCaños de Carmonaという水道橋で、なんと紀元前1世紀のローマ時代に建てられたものです。

ではなぜひっそりかと言うと、その立地がとても地味なのです。元々あった場所から移していないため、その水道橋があるのは車が行き交う道路のど真ん中です。むしろ水道橋が中央分離帯の役目を果たしているかのような風景です。






この水道橋が建てられた紀元前1世紀というとその頃、日本は弥生時代です。日本でこんな大きな弥生時代の建造物があったら、間違いなく貴重に囲われ観光スポットとして盛大に扱われると思うのですが、ここセビリアでこの水道橋は観光地としてもほとんどスポットライトを浴びていません。

そして驚きなのが、紀元前1世紀に建てられたこの水道橋は修復を繰り返しながら1912年まで使われていたのです。いかにこの水道橋が重要な存在だったかが伝わります。

メイン観光スポットのようなきらびやかさはありませんが、ローマ時代までさかのぼってセビリアの歴史を感じられる貴重な建築物なのです。


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