インドネシアはコーヒー豆の産地としても知られています。
栽培されている豆の種類はアラビアカ種が1割、ロブスタ種が9割。

インドネシアで生産されるほとんどを占めるロブスタ種は、アラビアカ種に比べて病害虫に強くて成長が早いため、広く流通しています。
力強いコクと苦みが特徴で、インスタントコーヒーの原料としても使われています。
豆の仕上げ法に、一般的には「乾燥式」が多い中、インドネシア産のロブスタ種は「水洗式」で、より高品質に仕上げられているそうです。
そのためインドネシア産ロブスタ種は特に「ジャワ・ロブスタ」と呼ばれ、広く世界で知られることになったといいます。




アラビアカ種は主に、スマトラ島、スラウェシ島、ジャワ島の高地で栽培されています。
スマトラ島で生産されるアラビアカ種のひとつ「マンデリン」は強い苦みとコク、芳醇な香りが特長で、「ブルーマウンテン」が登場するまでは世界一ともいわれていました。
「マンデリン」という名称は先住民族のマンデリン族に由来し日本ではそう呼ばれていますが、世界的には「スマトラ」と呼ばれ流通しています。

「マンデリン」のほか、スマトラ島産「ガヨマウンテン」、スラウェシ島の「トラジャ」「カロシ」などが名高いですが、バリ島の高地でも高品質のアラビアカ種「バリ・アラビアカ」が生産されています。
中でもキンタマーニ高原界隈で生産されるものは「キンタマーニ」と呼ばれ、スッキリした柑橘のような香りが特長です。




バリ島ローカルの飲み方は独特で、極細かく挽いた粉に湯を注ぎ、砂糖を入れてかき混ぜて、粉が沈んだらその上澄みを飲むというスタイル。
また、フランス、イタリア、オーストラリアなど外国人在住者の多いチャングー界隈ではヨーロッパの専門メーカーのコーヒーマシンを導入しているカフェやレストランも多く、美味しいエスプレッソやロングブラック、カフェラテ、カプチーノなどのコーヒーメニューを手軽に楽しむことができます。

少し前に、バトボロン通りに本格的なコーヒーマシンを専門的に扱う店舗ができたので早速訪れてみました。
こぢんまりとした店内には高価なマシンやツールが並んでおり、感じの良いジャズが流れています。
聞くとオーナーはフランス人だそう。




店には若いバリ人の女性スタッフがひとり。
何種類かコーヒー豆が並んでいるのを見かけたのでたずねてみると、流暢な英語で丁寧にそれぞれの豆の特徴を説明してくれました。
店の一角がカフェコーナーになっており、コーヒーマシンで淹れるメニューのほか、「ハンドドリップ」も。
丁寧に淹れられた「キンタマーニ」のハンドドリップコーヒーはなんとも香り高く、気持ちが豊かに満たされていくよう。
感想を告げると、彼女はバリスタで、4年間スターバックスで学び、コーヒーの仕事が大好きなのだと話してくれました。
熱心に目を輝かせて働く彼女の姿はまぶしく、今そしてこれからのバリを見る思いでした。

KAWA Coffee store:
https://kawacoffeestore.com/

バリ島の新しい中心エリア・チャングーは、こうした小さな質の良い専門店が次々と登場しています。
ぶらり散策して、自分好みのお店と出会うのも楽しいものです。


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