日常生活の中で宗教の位置づけが非常に大きいバリ島です。
信者数が占める割合は、八割以上がバリヒンズー教ですが、インドネシア全土ではほとんどがイスラム教。
次いでキリスト教です。

そんなバリ島は、今年2024年3月、三大宗教の大きな行事が集中します。
特に、観光客も巻き込んで島中に関わる大きな行事からご紹介します。

『ニュピ』
(バリヒンズー教、2024年3月11日)
バリ島の「静寂の日」で、バリヒンズー教の元日です。
バリ島の祝日で、この日は終日、静かに過ごし、断食や瞑想を行う日となります。
バリ島全土で、11日の日の出から翌12日の夜明けまで、旅行客を含めてすべての人が外出禁止。
旅行を予定されている場合、この日はホテルから出ることができませんので予定を組む際にご注意ください。
空港を含むすべての交通機関もストップされます。
飛行機発着はもちろん、島内での移動や外出ができず、道路には見回りの村人以外は犬や鳥だけ。
旅行客は終日ホテルで過ごすことになります。
日が沈んで暗くなっても電灯をつけてはならないとされています。
とはいえ、真っ暗では困るので、ニュピの時は前日から窓に目張りをするなどして、屋外に灯りが漏れないようにします。
ニュピの日は新月で、町も真っ暗。
季節の変わり目で雨が降ることもありますが、もし晴れていたらニュピの夜ならではの楽しみがあります。
それは、満天の星空です。
肉眼で天の川が大きく迫ってくるような迫力で見ることができます。
もしニュピの日にバリ島で過ごすなら、こっそりベランダやホテル内の庭先に出て夜空を見上げてみてください。
一生忘れられない景色に出会えることでしょう。
また、ニュピの前夜祭も一見の価値があります。「オゴオゴ」の大行進です。
「オゴオゴ」は、悪魔をかたどった手作りの大きな人形で、神輿のスタイルで村ごとに隊列を組み、たいまつを持った女性たちやガムランを鳴らす青年たちが民族衣装で盛装して村中を練り歩くのです。
ニュピ前日の午後から交通規制が始まり、島中がふだんとは違う雰囲気に包まれます。
そうして、夜は盛大な「オゴオゴ」の大行列行事が島中あちこちで開催されるのです。
観光客にとってはデメリットしかないと特に日本人には思われがちですが、実は世界中から、この「オゴオゴ」と「ニュピ」を楽しみに訪れる観光客も大勢いるのです。




『ラマダン(断食)』
(イスラム教、2024年3月10日~4月9日)
ラマダンは、イスラム教徒にとって非常に大きな行事です。
信者は日中、食事を行わず、敬虔な者は水も飲みません。
一カ月近くも何も食べないのかと、最初に隣人のイスラム教徒に聞いた時は驚きましたが、「食べないのは日中だけ」とのこと。
日が沈んでしまえば、食事しても良いそうです。
そんなわけで、中には深夜に食べまくってしまうために断食で太ってしまうと言う人も少なくないのだとか。

一方で、バリ島では特に、窃盗など治安面で十分注意するべき時期でもあります。
断食明けの大祭(レバラン)があり、レバラン休暇はイスラム教徒、インドネシア全土の休日です。
他の島からバリ島に出稼ぎに来ている多くのインドネシア人が故郷に里帰りします。
その際の手土産にと窃盗が増えるのだと、レンタカー・レンタルバイクを営むバリ人たちは言います。
今年のレバランは4月10~11日(水・木曜日)、前後に設定する有給休暇一斉消化日4日間(4月8~9、12、15日)と土・日曜日を合わせると、4月6日から15日まで最大10連休。
それに年間の有給休暇一斉消化、レバラン前後の4日間を含め、計10日間が休日とされています。
レバランの期間は、ビザなどを含み、政府や自治体関連がすべてお休みとなります。

『イースター(復活祭)』
(キリスト教、2024年3月31日)
2024年のイースターは3月31日、イースターマンデーは翌日の4月1日、グッドフライデー(聖金曜日)はイースター前の3月29日。
イースターは、イエス・キリストがはりつけから3日後に復活したことを祝う宗教的な祭日で、それぞれの文化や地域によっては様々な習慣や儀式が行われます。
バリ島の教会行事は観光客に影響はほとんどありませんが、イースター前後は、バリ島にとって、クリスマスに並んで観光客が増える時期となります。
宿泊施設や観光エリアがとても混みあいます。旅行を計画される場合は、特に人気エリアの宿泊施設は早めのご予約がおすすめです。

どの行事も、毎年日程が前後します。春先にバリ島旅行を計画される場合は、行事日程を確認しておくと良いでしょう。

ちなみに、バリ島(インドネシア)に来られる際は、入国に当たって、パスポートの残存有効期間が6か月以上、かつパスポートには十分な査証空欄ページ(2ページ以上)が必要ですので、事前に必ずご確認ください。
ビザや税関申告は、現地到着時に空港で行うこともできなくはないですが、事前に準備しておくと良いです。インターネットでQRコードを取得するというシンプルなものです。
また、先日発表された新しい制度として、「観光税」というものが2月14日から導入されることになりました。
詳細は未定とのこと。インドネシアの各制度は突然変更されることが頻繁にありますので、ご旅行の際には必ず最新情報をチェックしておきましょう。


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