ヒンズー教では、牛は神様なので、大事に扱われます。
牛の糞は、赤土と混ぜられて、毎朝、農家の台所の土床を清めるのに使われます。
また、牛の乳や尿は、ヒンズー教の儀式を行う上では、欠かせない聖なるものです。
カトマンズのような都会では、牛を飼う農家はどんどん減っているため、牛を飼っている農家にお金を払って、乳や尿を貰ってくることもあるくらいです。




でも、このように神様扱いされて、乳や、糞や、尿がありがたがられるのは、雌牛だけです。
雄牛は田畑を耕すことくらいしか役に立ちません。
しかし、カトマンズなどの都会では、どんどんと畑が宅地となり、耕す田畑もありません。
空き地もどんどん減っていき、放牧する場所もありません。
役立たずの上に、餌の確保も大変とあって、最近では、雄牛が生まれると、捨てられてしまうこともよくあるのです。

街中で見かける野良牛は、そんな風に捨てられた野良牛であることが多いようです。
同じ牛でも、神様扱いの雌牛とは大違いです。
田舎では、まだまだ大事な労働力される雄牛も、都会ではだんだんと生き延びるのが大変になりつつあるようで、ダンボール箱をあさる雄牛を街中で見かけると、ちょっと切ない気持ちになったりします。


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