バリ島の人々の生活はバリヒンズー教と共にあります。
イスラム教徒の多いインドネシアで唯一、バリヒンズー教徒が90%を超えるといわれているバリ島。
朝晩のお祈り・お供えに加えて、日々数えきれないほどの祈祷行事があり、その中でも大きな行事のひとつが、ご先祖の霊が家に戻ってくる、日本でいうお盆にあたる「ガルンガン」です。




ガルンガンには、そのずいぶん前から人々は様々な準備で大忙し。
ご先祖の霊に「お家はここですよ」と知らせるために、家々の門前に、家の男子たちが手作りする竹飾り「ペンジョール」が掲げられます。
平行して、お盆に向けてお寺での祈祷がいくつも行われ、ふだんよりも盛大なお供えものを持った人々が集まります。




ガルンガンには決まって、バリ島伝統のご馳走が家々で作られます。
丸焼きした豚を、各部位ごとに様々に料理した「バビグリン」。
日本語でいうと「豚尽くし御膳」といったところでしょうか。
そのために用意していた豚を捌き、丸焼きが始まります。
豚を焼くのは家族親戚の男たちの役割です。




ガルンガンは、子供たちも大忙し。
豚の頭をかたどった「バロン」という獅子舞行列で地域の家々を訪れ、厄払いをして歩くのです。
行列には、獅子舞踊りをする係、「ガムラン(打楽器)」でお囃子をする係、そして、子供たちにとってはここが最重要・おひねりを回収する係。
バロンに参加するのは小学生くらいの男の子たちです。
それより小さな子供たちは、「バロン」の太鼓が近づくと急いで家の門を飛び出して、家族と一緒にお兄ちゃんたちのバロンの舞を見るのです。

「ガルンガン」は、10日後の送り盆「クニンガン」の日に、ご先祖の霊を天国にお見送りして終わります。
バリヒンズーの暦で、210日ごとにお盆がやってくるので、1年の間に2回お盆がやってきたり、「盆と正月が一緒にやってくる」なんていうことも。


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