フランスはブルゴーニュの北部にある街トネール(Tonnerre)。中心街の一角にチョコレートショップがオープンしました。
棚には色とりどりのパッケージの中に美味しそうなチョコレートが艶々と光って並んでいます。
ここはショコラトリー テヴナン(Chocolaterie Thévenin)。
30年間の沈黙の後の再オープンでした。




 イースターの時期とあってイベント用のチョコレートも鋭意準備中の店内。
見ると内部を解放しているようです。
チョコレートショップの店の奥に何か面白いものがあるのだろうかという疑問が湧きますが入ってみるとそこは時の流れから取り残されたような空間がありました。




 19世紀前半にお菓子屋さんだった頃のマドレーヌの型やチョコレート作りの道具や機材がそこここに並べられているのです。
丸い鉄版はクレープでも焼けそうな。
店頭のモダンなパッケージと対照的にノスタルジックな空気に満ちた空間は不思議な気分にさえさせてくれるものです。




 1579年に建てられたという相当な年季が入った建物内は結構ゴタゴタとしていて埃などが見られますが、内部にあった約3.6トンの瓦礫を取り出したという話から、ここまで見られるようにするには相当な整備が必要だったことが伺えます。
展示されている物たちはその瓦礫に混じって眠っていたのでしょう。




 話を聞いてかつての店を知る地元のお年寄りたちはこの日昔話に花が咲いたようで、ショップの方々は対応に大忙しな様子でした。
今後ショコラトリー テヴナンが続けられるかどうかはどうやら未定のようですが、何らかの形で保管されてほしい空間です。

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