ローマから北に60キロほど行ったところに、ヴィテルボという有名な町があります。
中世には、ローマ法王庁が一時期移転していたこともあることで有名。
その近郊に、スートリという変わった名前の小さな町があります。




スートリは、いわゆる中世の町が小高い丘の上に建設されているのに対し、低地にはエトルリア時代のネクロ-ポリと、古代ローマ時代の円形劇場があります。
ネクロ-ポリというのは、「死の町」の意。
古代の墓地のようなものでしょうか。
しかし、墓地のようなおどろおどろしさがなく、現代人は岩に掘られたその穴をワインの貯蔵庫として使ったりしています。

スートリのネクロ-ポリの周辺も、緑豊かな公園が広がって人々が散策姿をよく目にします。
ときには、ここで骨董市などが開かれることも。




また、その横に位置する古代ローマ時代の劇場は、石灰岩の山を彫って作った非常に特異なものです。
通常、古代ローマ時代の劇場は、煉瓦や石を上に積み上げて建設します。
ところが、スートリのそれは山をくりぬいて作ったというわけです。
その名残は、劇場の中に入ってぽろぽろと砕ける岩に触れば明らか。
こんな小都市にまで人々を楽しませる劇場を造った古代ローマ人、本当に偉大です。

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