日本でもすっかりイタ飯の定番として定着した「カルボナーラ」。
本来は、ローマを中心とするラツィオ州の郷土料理です。
世界中でその名前とともに数々のバラエティも存在することでも有名ですが、ローマっ子が主張する「カルボナーラ」にはタマネギも生クリームも入っていません。
使われる肉は、「ベーコン」ではなく「グアンチャーレ」と呼ばれる豚の頬肉で、これも賛否両論ありますが「正統」の「カルボナーラ」は卵の黄身のみを使用します。
ふんだんに混ぜられるチーズは、「パルミジャーノチーズ」ではなく、塩気の強い「ペコリーノチーズ」です。
とはいえ、これらの食材の調達はご当地でもないかぎり楽ではありません。
グアンチャーレの代りにベーコンを使ったり、ペコリーノチーズの代りにその他のチーズを使ってもおいしければ問題ないのでしょう。




ローマには、まるで穴蔵のような小さな家族経営の「トラットリア」と呼ばれる食堂が数多く存在します。
街の中心よりも、少し外れたところのトラットリアは、観光客の姿はほとんど見えず、地元の人々が第二の台所のように利用します。
メニューは存在しないこともあり、料理をするおじさんが直々にテーブルに現れて、「うちはローマ料理だからね。
カルボナーラ、アマトリチャーナ、グリーチアのパスタ、セコンド(パスタの後に食べる肉料理)はトリッパ、肉団子のトマトソース煮、鶏肉の猟師風、以上」といった具合に説明してくれます。




イタリア人は、スパゲッティなどのロングパスタよりもショートパスタを好む人が多く、カルボナーラも「メッツァマニケ」と呼ばれる短かく太めのパスタがよく登場します。
しかしお好みで、「カルボナーラはスパゲッティにして」といえば対応してくれます。
トラットリアは、たいていは家族経営。
テーブルも5つほどしかなく、地元の人がわいわいと安価なワインを飲みながら家庭的な料理を楽しむのが醍醐味です。


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