カトマンズの街中を歩いていると、あちこちに「Study in japan」とか「Stydy in Australia」といった看板が目に付きます。
これらは、海外留学斡旋のエジェンシーの看板です。
こんなに看板が溢れているということは、それだけ海外留学を目指すネパールの若者が多いということ。
毎年多くの若者が、スタディービザで、アメリカをはじめ、イギリス、オーストラリア、日本などの海外へ出て行きます。

けれども、留学生の多くは、この留学のために親戚中から借金をしています。
借金してまで留学する意味があるのかと思われるかもしれませんが、貧富の差が激しく、失業率が異常なほど高いネパールにおいては、留学は、貧困のスパイラルから抜け出す近道となっているのです。

彼らの最終的な目的は海外で勉強することや、海外で資格を得ることではありません。
留学を経て現地で職を得て稼ぐこと。
そのための留学であり、留学中もアルバイトしながら、自分の学費と生活費は自分で稼ぎます。
その上、村の両親に仕送りまでしちゃうのです。

優秀な人は大学を卒業し、現地で職を得て、永住権を獲得。
そうなると、もう多分ネパールには戻ってきません。
優秀であればあるほどそうなります。
留学先で自分の能力を生かせて、かつ十分な給料を得ているのに、コネがなければ就職できず、就職できても月給は1万円あまりというネパールに誰が戻ってこようと思うでしょう。

そんなわけで、優秀な人材ほど海外に流出するという悪循環が続いているネパール。
政府のお偉いさんたちからして、それに歯止めをかける政策を考えるどころか、自分たちの子息を積極的に海外に出しているのですから、当分この状況は変わりそうにもありません。


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