農業国フランス国内の大きめのスーパーでは、チーズ売り場がよく2箇所にあります。
1つは 店員さんが対面で量り売りしてくれるコーナー、もう一つが様々なメーカーの製品が並んでいるコーナーです。
後者の売り場ではスーパーの自社ブランドからプレジダン(Président)、クール・ド・リオン(Cœur de Lion) のような大手のもの、さらに地元のチーズ会社の製品とチョイスが大変豊富。
そんなチーズ業界について2025年9月末、あるニュースが複数のメディアで発表されました。




それはカルバドスにあるノルマンディーでチーズ用木製容器を製造している最後の工場が2026年に閉鎖する、というもの。
その工場というのは元はCibem(シベム)という、1885年にできた会社のものでした。
カマンベールやクロミエ等の容器を製造しているCibemは既に2つ目の大会社の傘下に入って生産を続けていました。
ですが、原材料の高騰も手伝い、工場設備の老朽化の立て直しは難しかったようです。

ノルマンディーといえばりんごや酪農のイメージが強いですが、そんな地方でも関連企業の生き残りは難しいということでしょうか。
このニュースが出た後、都市型スーパーのモノプリで改めてチーズコーナーを見てみると、カマンベール等木製の容器はごく当たり前でおなじみとはいえ、多数派はプラスチックや厚紙の容器。
工場で働く100人余りの従業員たちはこの発表後、新たな買収企業が現れる可能性も残しつつ、
新たな道を見つけることになりそうです。
因みに現在世界中の人々が知っているカマンベールチーズの原産地はノルマンディー。
長らくカマンベールチーズなどの伝統的なイメージ作りの立役者だった木の容器が今後どうなっていくのか、新たな展開が気になります。

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